問題
大腸について正しいのはどれか。
- 多数の細菌が常在する。
- 消化管内水分の約80%が吸収される。
- 大蠕動は1時間に数回起こる。
- 蛋白質分解酵素を分泌する。
解答: 1(多数の細菌が常在する。)
解説
- 正しい。大腸には多数の細菌が常在している。大腸内には大腸菌をはじめとして多数の細菌が常在しており、小腸で消化しきれなかったものを分解する。食物繊維は腸内細菌により発酵されて酪酸・酢酸やCO₂・H₂・メタンなどのガスを発生する。アミノ酸は腸内細菌によりインドール・スカトールなどを生成し、糞便臭の原因となる。
- 誤り。消化管内水分の約83%は小腸で吸収され、大腸では約16%が吸収される。水分吸収の主役は小腸である。
- 誤り。大蠕動は1日に数回起こる運動であり、1時間に数回ではない。大蠕動は横行結腸からS状結腸にかけて広範囲の平滑筋が同時に収縮し、内容物を一気に直腸へ運ぶと記載されている。
- 誤り。大腸液はアルカリ性で粘液に富むが、消化酵素は含まない。タンパク質分解酵素は胃液(ペプシン)や膵液(トリプシン)に含まれる。
ポイント
- 大腸の主な機能は水・Na⁺の吸収と糞便の形成であり、消化酵素は分泌しない。腸内細菌が消化残渣を分解する。
- 覚え方のコツ: 「大腸は”水を吸って固める+菌が分解”」と二つの役割で整理する。
- 関連知識: 大蠕動はしばしば摂食後に起こり、これは胃の充満による胃-大腸反射によるものである。
- よくある間違い: 「消化管内水分の約80%吸収」を大腸と勘違いしやすいが、これは小腸の役割である。
| 項目 | 小腸 | 大腸 |
|---|---|---|
| 水分吸収 | 約83% | 約16% |
| 栄養素の吸収 | 主要な吸収部位 | ほとんど行わない |
| 消化酵素 | マルターゼ等(上皮細胞) | 含まない |
| 消化液の性状 | 弱アルカリ性 | アルカリ性・粘液に富む |
| 運動 | 分節・振子・蠕動運動 | 分節・蠕動・逆蠕動・大蠕動 |
| 常在細菌 | 少ない | 多数(腸内細菌叢) |
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