問題
正常時の呼吸調節で誤っている記述はどれか。
- 呼吸中枢は延髄にある。
- 血液のpH が低下すると呼吸運動は促進する。
- 吸息で肺が伸展すると吸息は抑制される。
- 動脈血酸素分圧が低下すると呼吸運動が抑制される。
解答: 4(動脈血酸素分圧が低下すると呼吸運動が抑制される。)
解説
- 正しい。呼吸中枢は延髄の網様体に存在する。→ 吸息性ニューロンと呼息性ニューロンが基本的な呼吸リズムを形成し、肋間神経・横隔神経を介して呼吸筋に指令を送る。
- 正しい。血液pHの低下はH⁺濃度の上昇を意味する。→ 末梢性化学受容器(頸動脈小体・大動脈小体)および中枢性化学受容器がこれを感知し、呼吸中枢を刺激して呼吸運動を促進する。
- 正しい。吸息により肺が伸展すると肺の伸展受容器が興奮する。→ その情報は迷走神経を介して呼吸中枢に伝えられ、吸息中枢を抑制して呼息へ切り替える(ヘーリング-ブロイエルの反射)。
- 誤り。動脈血O₂分圧の低下は呼吸運動を「促進」する。→ 頸動脈小体・大動脈小体の末梢性化学受容器がO₂分圧低下を感知し、舌咽神経・迷走神経を介して呼吸中枢を興奮させる。→ これは低酸素状態から身体を守る生体防御反応である。
ポイント
- 動脈血O₂分圧の低下は末梢性化学受容器を刺激し、呼吸運動を促進する(抑制ではない)。
- 覚え方のコツ: 呼吸を「促進」する3大刺激は「O₂↓・CO₂↑・pH↓」とセットで覚える。逆方向に作用するのはヘーリング-ブロイエル反射(肺伸展→吸息抑制)。
- 関連知識: 中枢性化学受容器(延髄)は主にCO₂増加・H⁺増加に反応し、末梢性化学受容器はO₂分圧低下にも強く反応する点で役割分担がある。
- よくある間違い: 「O₂低下→呼吸抑制」と混同しやすい。低酸素は呼吸を促進する方向に働く。
『理由で解く 生理学』 Kindle版
本書は、生理学の各テーマを「機序・因果」の観点から再構成し、
知識の断片化を防ぎながら、臨床・学習現場で再利用しやすい理解を目指しています。初学者の学習補助だけでなく、授業設計・復習教材としても活用いただければ幸いです。
Kindle Unlimitedでも使えます。
理由で解く 生理学: 国家試験問題 941問 完全攻略 理由で解く国試過去問






コメント