問題
呼吸の反射性調節について正しい組合せはどれか。
- 動脈血酸素分圧の低下 ― 呼吸促進
- 動脈血二酸化炭素分圧の低下 ― 呼吸促進
- 肺伸展受容器の興奮 ― 呼吸抑制
- 脳脊髄液中の水素イオン濃度の上昇 ― 呼吸抑制
解答: 1(動脈血酸素分圧の低下 ― 呼吸促進)
解説
- 正しい。動脈血O2分圧の低下は、頸動脈小体・大動脈小体の末梢性化学受容器を刺激し、舌咽神経・迷走神経を介して呼吸中枢に伝えられ、呼吸が促進される。「血中のO2分圧の減少あるいはCO2分圧の増大、pHの低下に反応する化学受容器がある」「呼吸運動が促進される」。
- 誤り。CO2分圧の低下は化学受容器への刺激を減少させ、呼吸を抑制する。→ CO2分圧の「上昇」であれば呼吸促進となる。組合せが逆である。
- 誤り。肺伸展受容器の興奮はヘーリング・ブロイエル反射により吸息を抑制する(呼息への切り替えを促す)。→ 「吸息の抑制」は正しいが、選択肢の「呼吸抑制」という表現は呼吸全体の抑制を意味するため不正確である。本選択肢は正答としては不適切と判断される。
- 誤り。脳脊髄液中のH+濃度上昇は延髄の中枢性化学受容器を刺激し、呼吸を促進する。CO2の増加やH+の増加に反応する領域(中枢性化学感受領野)がある。中枢性化学感受領野は呼吸中枢を介して呼吸を促進させる。「抑制」ではなく「促進」が正しい。
ポイント
- O2分圧低下・CO2分圧上昇・H+濃度上昇はいずれも呼吸を促進する。これらの逆(O2上昇・CO2低下・H+低下)は呼吸を抑制する。
- 覚え方のコツ: 「酸素が足りない・CO2が多い・酸性に傾く → 体が危険 → 呼吸を増やして対処」と生体防御の観点で覚える。
- 関連知識: 末梢性化学受容器(頸動脈小体=舌咽神経、大動脈小体=迷走神経)はO2・CO2・pHすべてに反応し、中枢性化学受容器(延髄)は主にCO2/H+に反応する。
- よくある間違い: 選択肢3の「肺伸展受容器→呼吸抑制」は一見正しそうに見えるが、正確には「吸息の抑制」であり呼吸全体の抑制ではない点に注意。
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