問題
呼吸の吸息時について誤っている記述はどれか。
- 横隔膜が収縮する。
- 肋骨が挙上する。
- 胸腔内圧が高まる。
- 外肋間筋が収縮する。
解答: 3(胸腔内圧が高まる。)
解説
- 正しい。横隔膜は吸息時に収縮して下降(ドーム状から水平へ)し、胸腔を拡大させる。横隔膜が収縮すると、横隔膜の面積が減り、ドーム状に盛り上がっていた膜は沈下して水平になる。
- 正しい。外肋間筋の収縮により肋骨が挙上し、胸郭の前後径・左右径が増大する。→ これにより胸腔容積がさらに拡大する。
- 誤り。吸息時に胸腔内圧は高まるのではなく、さらに陰圧(低下)になる。→ 横隔膜の下降と肋骨の挙上により胸腔容積が増大すると、胸腔内圧はさらに陰圧となり、外気が受動的に肺内に流入する。吸息時には胸腔容積が増大して胸腔内圧はさらに陰圧となり、肺は拡張して外気が肺内に流入してくる。
- 正しい。外肋間筋は横隔膜とともに主吸息筋であり、吸息時に収縮する。→ 肋間神経の活動が高まることにより収縮する。
ポイント
- 吸息時の胸腔内圧は「さらに陰圧になる(低下する)」のであり、「高まる」のではない。胸腔内圧は常に陰圧(大気圧以下)に保たれている。
- 覚え方のコツ: 「吸息=胸腔が広がる=圧が下がる=空気が入る」と因果の流れで覚える。圧が高まったら空気は入ってこない。
- 関連知識: 胸腔内圧が大気圧に近づくと肺が弾性で収縮してしまう(気胸)。胸腔内圧の陰圧維持は肺を膨張させておくために不可欠である。
- よくある間違い: 「吸息=空気が入る=圧が高まる」と直感的に考えがちだが、肺内に空気が入るのは胸腔内圧が低下した結果である。
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