問題
呼吸に関して正しい記述はどれか。
- 肺胞中の酸素量を呼吸商という。
- 肺胞のことを死腔ともいう。
- 体循環の動脈血酸素分圧は静脈血より低い。
- ヘモグロビンと酸素との結合は酸素分圧に左右される。
解答: 4(ヘモグロビンと酸素との結合は酸素分圧に左右される。)
解説
- 誤り。呼吸商はCO2排出量をO2消費量で割った比率であり、肺胞中の酸素量のことではない。→ 呼吸商は栄養素の種類によって異なり、糖質で約1.0、脂質で約0.7である。
- 誤り。死腔はガス交換に関与しない気道の容積(鼻腔〜終末細気管支)のことであり、肺胞とは異なる。ガス交換に関与しない容積を死腔(生理的死腔)といい、成人で約150ml。肺胞はガス交換が行われる場である。
- 誤り。体循環の動脈血酸素分圧(約95mmHg)は静脈血(約40mmHg)より高い。→ 動脈血は肺でガス交換を終えた酸素豊富な血液であり、組織で酸素を消費した後の静脈血より分圧が高い。
- 正しい。ヘモグロビンとO2の結合はO2分圧に依存し、その関係は酸素解離曲線(S字型)で表される。→ O2分圧が高い肺毛細血管ではヘモグロビンの約97%が酸素化され、O2分圧が低い組織ではO2が解離して組織に供給される。→ さらにCO2分圧の増加もヘモグロビンのO2結合能を減少させる(ボーア効果)。
ポイント
- ヘモグロビンのO2結合はO2分圧に依存し、酸素解離曲線はS字型を示す。動脈血(O2分圧95mmHg)で約97%飽和、静脈血(O2分圧40mmHg)で約75%飽和となる。
- 覚え方のコツ: 「死腔=ガス交換しない通路(約150ml)」「肺胞=ガス交換する場」と明確に区別する。
- 関連知識: CO2分圧の上昇・pHの低下・温度の上昇は酸素解離曲線を右方移動させ、組織でのO2放出を促進する(ボーア効果)。
- よくある間違い: 死腔と肺胞を混同する、動脈血と静脈血の酸素分圧の大小関係を逆に覚える。
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