問題
大動脈弓の圧受容器が刺激されたときに起こる反応はどれか。
- 血圧の低下
- 心拍数の増加
- 呼吸運動の促進
- 消化管運動の抑制
解答: 1(血圧の低下)
解説
- 正しい。大動脈弓の圧受容器が血圧上昇を感知して刺激されると、迷走神経を介して延髄の循環中枢に情報が伝えられる。→ その結果、心臓・血管支配の交感神経活動が低下し、心臓支配の迷走神経活動が亢進して、心拍数減少・心筋収縮力低下・血管拡張が起こり血圧が低下する。血圧は下降して、ある基準値で安定する。→ これは負のフィードバック機構による血圧の恒常性維持である。
- 誤り。圧受容器反射では迷走神経活動が亢進するため心拍数は減少する。心拍数の低下、心筋収縮力の低下、心拍出量の減少。
- 誤り。呼吸運動の促進は化学受容器反射の機能であり、圧受容器反射の主な作用ではない。→ 化学受容器(頸動脈小体・大動脈小体)がO₂分圧低下やCO₂分圧上昇を感知して呼吸を促進する。
- 誤り。圧受容器反射では副交感神経活動が亢進するため、消化管運動はむしろ促進される方向に働く。→ 抑制されるのは交感神経優位の状態である。
| 器官 | 交感神経 | 副交感神経 |
|---|---|---|
| 心拍数 | 増加 | 減少 |
| 血管 | 収縮 | (支配少ない) |
| 消化管運動 | 抑制 | 促進 |
| 消化液分泌 | 抑制 | 促進 |
| 気管支 | 拡張 | 収縮 |
表: 交感神経と副交感神経の作用比較
ポイント
- 圧受容器反射は血圧上昇時に交感神経抑制・迷走神経亢進により血圧を低下させる負のフィードバック機構である
- 覚え方のコツ: 「圧↑→受容器興奮→交感↓・迷走↑→心拍↓・血管拡張→血圧↓」とフローで覚える
- 関連知識: 圧受容器は頸動脈洞(舌咽神経)と大動脈弓(迷走神経)に存在し、情報は延髄の循環中枢に伝えられる
- よくある間違い: 「刺激された=興奮=心拍数増加」と短絡的に考えがちだが、圧受容器反射は抑制性の反射である
『理由で解く 生理学』 Kindle版
本書は、生理学の各テーマを「機序・因果」の観点から再構成し、
知識の断片化を防ぎながら、臨床・学習現場で再利用しやすい理解を目指しています。初学者の学習補助だけでなく、授業設計・復習教材としても活用いただければ幸いです。
Kindle Unlimitedでも使えます。
理由で解く 生理学: 国家試験問題 941問 完全攻略 理由で解く国試過去問






コメント