問題
血圧を上昇させる要因はどれか。
- 塩分摂取の低下
- 外傷による大出血
- 細動脈の拡張
- 血管壁の弾性低下
解答: 4(血管壁の弾性低下)
解説
- 誤り。塩分摂取の低下は血圧を低下させる。→塩分(Na+)が減少すると体液量が減り、循環血液量が減少するため血圧が低下する。→「血液量の増大」は血圧上昇因子であり、その逆の血液量減少は血圧低下をもたらす。
- 誤り。外傷による大出血は血圧を低下させる。→大量出血により循環血液量が著しく減少し、心拍出量が低下するため血圧が急激に低下する(出血性ショック)。→血圧規定因子から、血液量の減少は血圧低下につながる。
- 誤り。細動脈の拡張は血圧を低下させる。→細動脈が拡張すると末梢血管抵抗が減少し、血圧が低下する。「血管収縮による血管断面積の縮小(血管抵抗の上昇)」が血圧上昇因子。拡張はその逆である。
- 正しい。血管壁の弾性低下は血圧を上昇させる。→動脈壁の弾性が低下すると、心拍出時の圧力を緩衝するウィンドケッセル機能が低下し、末梢血管抵抗が上昇して血圧が上昇する。「血管抵抗の上昇をきたす血管壁の弾性の低下」が血圧上昇因子として、また「年齢に伴って動脈壁の弾性が低下し、末梢血管抵抗が高まるため」血圧が上昇する。
ポイント
- 血圧=心拍出量x総末梢抵抗であり、血液量増大・血管収縮・弾性低下・粘性上昇・拍出量増加が血圧上昇因子となる。
- 覚え方のコツ: 「硬い血管=高い血圧」と覚える。動脈硬化で弾性が低下すると血管が硬くなり、特に収縮期血圧が上昇する。
- 関連知識: 高血圧の基準はWHOで最高血圧140mmHg以上または最低血圧90mmHg以上。加齢による動脈硬化は収縮期(孤立性)高血圧の主因となる。
- よくある間違い: 「弾性低下」を「血管が柔らかくなる」と誤解する。弾性低下=血管壁が硬くなること(動脈硬化)であり、拡がりにくくなるため血圧が上昇する。
『理由で解く 生理学』 Kindle版
本書は、生理学の各テーマを「機序・因果」の観点から再構成し、
知識の断片化を防ぎながら、臨床・学習現場で再利用しやすい理解を目指しています。初学者の学習補助だけでなく、授業設計・復習教材としても活用いただければ幸いです。
Kindle Unlimitedでも使えます。
理由で解く 生理学: 国家試験問題 941問 完全攻略 理由で解く国試過去問






コメント