問題
健康成人において血圧低下を起こすのはどれか。
- 血中ナトリウム濃度の上昇
- レニン分泌の増加
- 心収縮力の増大
- 細動脈の拡張
解答: 4(細動脈の拡張)
解説
- 誤り。血中Na+濃度の上昇は浸透圧上昇を介して水の再吸収を促進する。→ 循環血液量が増加し、心拍出量が増えて血圧は上昇する。
- 誤り。レニン分泌の増加はレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)を活性化する。→ アンジオテンシンIIによる血管収縮とアルドステロンによるNa+再吸収促進で血圧は上昇する。
- 誤り。心収縮力の増大は1回拍出量を増加させる。→ 心拍出量が増加し、血圧は上昇する。
- 正しい。細動脈の拡張は総末梢抵抗を低下させる。→ 細動脈は抵抗血管と呼ばれ、血管抵抗が特に大きい。その拡張は総末梢抵抗を著しく低下させ、血圧=心拍出量×総末梢抵抗の関係から血圧は低下する。
ポイント
- 血圧=心拍出量×総末梢抵抗であり、細動脈(抵抗血管)の拡張は総末梢抵抗を低下させて血圧を下げる。
- 覚え方のコツ: 「血圧の公式:CO×TPR」を暗記し、各選択肢がCO(心拍出量)とTPR(総末梢抵抗)のどちらに影響するかを判断する。
- 関連知識: ホルモン性調節(H.循環調節)では、レニン-アンジオテンシン系による血管収縮やカテコールアミンによる血管収縮が血圧上昇に関与する。降圧薬の多くは細動脈を拡張させる機序で作用する。
- よくある間違い: レニン分泌「増加」を血圧低下と混同しやすいが、レニン分泌増加はRAAS活性化により血圧を”上昇”させる。レニンが分泌される”きっかけ”が血圧低下であるため混同しやすい。
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