問題
血圧を上昇させる要因はどれか。
- 血液粘度の減少
- 血管壁の弾力性の低下
- 迷走神経遠心性活動の亢進
- 圧受容器からの求心性活動の亢進
解答: 2(血管壁の弾力性の低下)
解説
- 誤り。血液粘度の減少は末梢血管抵抗を低下させる。→ 血圧=心拍出量×総末梢抵抗の関係から、抵抗低下により血圧は下降する。
- 正しい。血管壁の弾力性(コンプライアンス)が低下すると収縮期血圧が上昇する。→ 弾性血管(大動脈など)は心収縮期の血圧上昇を吸収するクッション機能を持つが、弾力性低下によりこの緩衝作用が失われる。→ 加齢に伴う動脈硬化による高血圧の主な機序である。
- 誤り。迷走神経(副交感神経)の遠心性活動亢進は心拍数を減少させる。→ 心拍出量が低下し、血圧は下降する。
- 誤り。圧受容器からの求心性活動亢進は血圧上昇のシグナルを延髄の循環中枢に伝える。→ 反射的に交感神経活動が低下し迷走神経活動が亢進するため、血圧は下降する(圧受容器反射)。
ポイント
- 血圧=心拍出量×総末梢抵抗であり、血管壁弾性の低下・血液粘度の上昇・血管断面積の縮小・1回拍出量の増加などが血圧上昇因子となる。
- 覚え方のコツ: 「圧受容器反射は血圧の”ブレーキ”」と覚える。圧受容器活動亢進=血圧上昇を感知=ブレーキがかかる=血圧下降。
- 関連知識: 圧受容器反射(H.循環調節)では、頸動脈洞・大動脈弓の圧受容器が舌咽神経・迷走神経を介して循環中枢に情報を伝える。
- よくある間違い: 「圧受容器活動の亢進」は血圧を上げると誤解しやすいが、これは血圧上昇を感知した結果の反射であり、血圧を”下げる”方向に働く。
『理由で解く 生理学』 Kindle版
本書は、生理学の各テーマを「機序・因果」の観点から再構成し、
知識の断片化を防ぎながら、臨床・学習現場で再利用しやすい理解を目指しています。初学者の学習補助だけでなく、授業設計・復習教材としても活用いただければ幸いです。
Kindle Unlimitedでも使えます。
理由で解く 生理学: 国家試験問題 941問 完全攻略 理由で解く国試過去問






コメント