問題
静脈還流を促す因子でないのはどれか。
- 静脈弁による逆流防止
- 骨格筋の収縮によるポンプ作用
- 右心房内圧の上昇
- 吸息時の胸腔内圧低下
解答: 3(右心房内圧の上昇)
解説
- 誤り。中等大の静脈には所どころに弁(静脈弁)があり、血流の逆流を防いでいる。静脈弁は静脈還流の一方向性を維持する因子である。
- 誤り。骨格筋の収縮・弛緩が静脈内の血液をポンプのように押し出す(筋肉ポンプ)。特に歩行時に静脈還流量が増加する。
- 正しい。右心房内圧の上昇は静脈還流を妨げる因子であり、促す因子ではない。静脈還流は末梢静脈圧と右心房圧の圧差によって駆動されるため、右心房圧が上昇するとこの圧差が縮小し、静脈還流量は減少する。右心不全などで右心房内圧が上昇すると、静脈うっ血が生じる。
- 誤り。吸息時に胸腔内圧が低下することによって血液が胸腔内に吸引される。静脈還流を促進する因子である。
ポイント
- 静脈還流は「末梢静脈圧−右心房圧」の圧差で駆動されるため、右心房圧の上昇は還流を妨げる。
- 覚え方のコツ: 静脈還流の促進因子は「弁・筋・吸」(弁=静脈弁、筋=筋肉ポンプ、吸=吸息時の胸腔内圧低下)の3つで覚える。
- 関連知識: 心周期に伴う心房内圧低下時に血液が心房内に吸引される。、心房内圧の低下が静脈還流を促す。
- よくある間違い: 「右心房圧の上昇」を「心臓の吸引力が増す」と誤解しやすいが、実際は圧差が縮小して還流が妨げられる。
『理由で解く 生理学』 Kindle版
本書は、生理学の各テーマを「機序・因果」の観点から再構成し、
知識の断片化を防ぎながら、臨床・学習現場で再利用しやすい理解を目指しています。初学者の学習補助だけでなく、授業設計・復習教材としても活用いただければ幸いです。
Kindle Unlimitedでも使えます。
理由で解く 生理学: 国家試験問題 941問 完全攻略 理由で解く国試過去問






コメント