問題
脳循環の特徴で正しい記述はどれか。
- 脳血流量は絶えず大きく変化している。
- 心拍出量の約30%を占める。
- 脳動脈は二酸化炭素の増加で収縮する。
- 毛細血管には血液-脳関門がある。
解答: 4(毛細血管には血液-脳関門がある。)
解説
- 誤り。脳血管は自己調節作用が顕著であり、脳の血流量を一定に調節する機構が非常によく発達している。脳血流量は大きく変化するのではなく、ほぼ一定に保たれている。
- 誤り。脳は心拍出量の約15%に相当する血液供給を受ける。約30%ではなく約15%である。
- 誤り。脳の細い動脈は、CO₂の増加により拡張する。CO₂増加で収縮するのではなく、拡張して脳血流量が増加する。
- 正しい。毛細血管の内皮細胞間隙は非常に狭く(タイトジャンクション)物質に対する透過性には選択性がある。これを血液脳関門といって、脳内へ有害物質が作用することを防ぐのに役立っている。また「脳の毛細血管は他の部位の毛細血管と異なり、神経膠細胞(グリア細胞)の突起によって取り囲まれている」ことも特徴である。酸素やグルコース、CO₂などの小さな分子は通過できるが、大きなタンパク質や多くの薬物は通過しにくい。
ポイント
- 脳の毛細血管には血液脳関門(BBB)が存在し、内皮細胞のタイトジャンクションとグリア細胞の突起により物質透過に選択性がある。
- 覚え方のコツ: 脳循環の3大特徴を「BBB(関門)」「CO₂で拡張」「自己調節が顕著」と3つセットで覚える。
- 関連知識: 脳の重量は体重のわずか2%程度であるが、脳は心拍出量の約15%に相当する血液供給を受ける。脳は体重比に対して非常に多くの血流を必要とする臓器である。
- よくある間違い: 「CO₂増加→血管収縮」と思いがちだが、脳血管はCO₂増加で拡張する。これは脳への血流・酸素供給を増やすための適応反応である。
| 脳循環の特徴 | 内容 |
|---|---|
| 血液脳関門(BBB) | 内皮細胞のタイトジャンクション+グリア細胞の突起で有害物質の侵入を防ぐ |
| CO₂に対する反応 | CO₂増加で脳動脈が拡張し、脳血流量が増加する |
| 自己調節 | 血圧変動にかかわらず脳血流量をほぼ一定に維持する |
| 血流量 | 心拍出量の約15%(体重比2%に対して非常に多い) |
表: 脳循環の主な特徴
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