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心臓でスターリングの法則を示す記述はどれか

問題

心臓でスターリングの法則を示す記述はどれか。

  1. 右心房に流入する血液が多くなると心拍数が増える。
  2. 右心房に流入する血液が多くなると心拍出量が増える。
  3. 左心室から流出する血液が多くなると心拍数が増える。
  4. 左心室から流出する血液が多くなると心拍出量が増える。

解答: 2(右心房に流入する血液が多くなると心拍出量が増える。)

解説

  1. 誤り。スターリングの法則は心拍数の変化に関する法則ではなく、心筋の伸展と収縮力(1回拍出量)の関係に関する法則である。心拍数の調節は主に自律神経によって行われる。
  1. 正しい。スターリングの心臓の法則とは、静脈還流量が増加して心筋が伸展されると、その伸展の度合いに応じて心筋が大きな収縮力を発生し、1回拍出量(心拍出量)が増加するという法則である。「心臓が大量の血液で充満して心筋が伸展されると、心筋はその伸展の度合いに応じて大きな収縮力を発生する。これをスターリングの心臓の法則と呼ぶ」「静脈還流量が多いほど心臓の拍出量が増加する」。すなわち、右心房への流入血液量の増加が心室拡張末期容積を増大させ、心筋線維の伸展により収縮力が増して拍出量が増加するという内因性の調節機構である。
  1. 誤り。左心室からの流出量の増加は結果であり、スターリングの法則の原因ではない。また、この法則は心拍数の変化には関与しない。
  1. 誤り。左心室からの流出量が増えると心拍出量が増えるという記述は、因果関係が逆である。スターリングの法則は「流入量(前負荷)の増加→拍出量の増加」という関係を示す。

ポイント

  • スターリングの心臓の法則は「静脈還流量(前負荷)の増加→心筋伸展→収縮力増大→拍出量増加」という心臓の内因性調節機構である。
  • 覚え方のコツ: 「入る量が増えれば出す量も増える」がスターリングの法則の本質。「流入↑→伸展↑→収縮力↑→拍出量↑」の因果の流れを矢印で整理する。心拍「数」ではなく1回拍出「量」が変わる点がポイント。
  • 関連知識: スターリングの法則は心臓の局所性調節に分類される。これに対し、交感神経・副交感神経による心機能調節は神経性調節であり、心拍数や収縮力を変える。両者は独立した調節機構として協調的に働く。
  • よくある間違い: スターリングの法則を「心拍数の変化」と混同しやすい。この法則で変化するのは心筋の「収縮力」と「1回拍出量」であり、心拍数の変化は自律神経(変時作用)による別の調節機構である。
調節機構 種類 変化する指標 作用
スターリングの法則 局所性(内因性) 1回拍出量 前負荷↑→収縮力↑→拍出量↑
交感神経 神経性 心拍数・収縮力 心拍数↑・収縮力↑
副交感神経(迷走神経) 神経性 心拍数 心拍数↓

表: 心機能の調節機構の比較

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この記事を書いた人

黒澤一弘(株式会社SBCHAプラクシス代表・つむぐ指圧治療室・東京都立大学 解剖学実習非常勤講師)
鍼灸師、按摩マッサージ指圧師、柔道整復師などの国家試験に向けた解剖学の知識向上を応援します。初学者にも分かり易く、記憶に残りやすい講座を心がけています。

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