問題
血液のガス運搬について正しいのはどれか。
- 肺における酸素の移動は能動輸送によって行われる。
- 組織における二酸化炭素の移動は拡散によって行われる。
- 静脈血では二酸化炭素はアルブミンと結合して運ばれる。
- 動脈血における酸素化ヘモグロビンの割合は約60%である。
解答: 2(組織における二酸化炭素の移動は拡散によって行われる。)
解説
- 誤り。肺における酸素の移動は分圧差による拡散で行われる。→肺胞内のO₂分圧が毛細血管血のO₂分圧より高いため、O₂は濃度勾配に従って受動的に拡散する。「O₂やCO₂は毛細血管壁そのものを通過できる」「透過物質の移動は、濃度差による拡散によって行われる」。
- 正しい。組織における二酸化炭素の移動は拡散によって行われる。→組織細胞で産生されたCO₂は、組織のCO₂分圧が毛細血管血より高いため、分圧差(濃度勾配)に従って組織から毛細血管内へ受動的に拡散する。CO₂は組織から毛細血管内に拡散する。
- 誤り。CO₂は主に重炭酸イオン(HCO₃⁻)の形で運ばれる。→一部はヘモグロビンと結合して運ばれるが、大部分はHCO₃⁻として血漿中で運搬される。CO₂も一部はヘモグロビンと結合して運ばれるが、大部分は重炭酸イオン(HCO₃⁻)として運ばれる。アルブミンとは結合しない。
- 誤り。動脈血における酸素化ヘモグロビンの割合(酸素飽和度)は約97〜98%である。→約60%ではなく、ほぼ全てのヘモグロビンがO₂と結合している状態である。動脈血中のHbO₂は「鮮紅色」。高い酸素飽和度を反映している。
ポイント
- ガス交換は肺でも組織でも全て分圧差による拡散(受動輸送)で行われ、能動輸送は関与しない。
- 覚え方のコツ: 「CO₂の運搬3形態=HCO₃⁻(大部分)・Hb結合(一部)・溶解(わずか)」と覚える。「ガス交換=全て拡散」と断定して覚える。
- 関連知識: 毛細血管の血流速度が遅いのは、総断面積が大きいためであり、これによりガス交換・物質交換が効率よく行われる。
- よくある間違い: CO₂の運搬をアルブミンと結合と誤答する。アルブミンは膠質浸透圧の維持やホルモンの運搬に関与するが、CO₂運搬には関わらない。
| 移動様式 | エネルギー | 方向 | 例 |
|---|---|---|---|
| 拡散 | 不要(受動) | 高濃度→低濃度 | O₂、CO₂の移動 |
| 浸透 | 不要(受動) | 低張側→高張側(水) | 細胞膜を介した水移動 |
| 能動輸送 | 必要(ATP) | 低濃度→高濃度 | Na⁺-K⁺ポンプ |
| 膜動輸送 | 必要 | 膜の変形による | 食作用、開口放出 |
| 濾過 | 圧力差 | 高圧側→低圧側 | 糸球体濾過 |
表: 物質移動の様式
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