問題
アシドーシスの原因とならないのはどれか。
- 呼吸量減少
- 腎機能低下
- 頻回の嘔吐
- 持続する下痢
解答: 3(頻回の嘔吐)
解説
- 誤り。呼吸量の減少はCO₂が体内に蓄積して呼吸性アシドーシスの原因となる。CO₂は肺から排泄される。呼吸量が減少するとCO₂排泄が不十分となり、H⁺が増加する。
- 誤り。腎機能の低下はH⁺の排泄障害とHCO₃⁻の再吸収低下をもたらし、代謝性アシドーシスの原因となる。H⁺は腎臓から排泄される。
- 正しい。頻回の嘔吐は胃酸(HCl)の喪失によりH⁺が体外に失われるため、血液はアルカリ側に傾き、代謝性アルカローシスの原因となる。pHがよりアルカリ性側に向かう状態をアルカローシスと呼ぶ。したがって嘔吐はアシドーシスではなくアルカローシスの原因である。
- 誤り。持続する下痢は腸液中に含まれるHCO₃⁻(重炭酸イオン)が大量に喪失されるため、代謝性アシドーシスの原因となる。
ポイント
- 嘔吐=胃酸(H⁺)喪失→アルカローシス、下痢=腸液(HCO₃⁻)喪失→アシドーシスである。
- 覚え方のコツ: 「嘔吐=胃酸を吐く=酸が減る=アルカローシス」「下痢=腸のアルカリを失う=アシドーシス」と対比で覚える。
- 関連知識: アシドーシスもアルカローシスも、呼吸性の機序によるものと代謝性の機序によるものがある。。
- よくある間違い: 嘔吐も下痢も「体液喪失」であるため両方ともアシドーシスと誤解しやすいが、喪失する体液の成分(胃酸 vs 腸液)が異なるため酸塩基平衡への影響は正反対である。
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