問題
小腸で主に能動的に吸収されるのはどれか。
- 水
- 脂肪酸
- 塩化物イオン
- グルコース
解答: 4(グルコース)
解説
- 誤り。水は浸透圧差に従って受動的に移動(浸透)するものであり、能動輸送ではない。
- 誤り。脂肪酸は脂溶性であるため、細胞膜の脂質二重層を受動的に拡散して吸収される。
- 誤り。塩化物イオン(Cl⁻)は主に電気化学的勾配に従った受動的経路で吸収される。
- 正しい。グルコースは小腸でNa⁺共輸送体(SGLT1)を介した二次性能動輸送により吸収される。細胞には物質の濃度勾配に逆らって物質を細胞内に取り込んだり、細胞外に運び出したりする仕組みがある。この現象はエネルギーを使って行われるので能動輸送という。管腔側ではNa⁺の濃度勾配を利用してグルコースを細胞内に能動的に取り込み、基底膜側ではGLUT2により血液中に放出される。
ポイント
- グルコースの小腸吸収は能動輸送(SGLT1によるNa⁺共輸送)である。
- 覚え方のコツ: 「グルコース=SGLTで”能動”的に吸収」と覚える。脂溶性の脂肪酸は「脂質膜を素通り=受動拡散」と対比する。
- 関連知識: Na⁺-K⁺ポンプが基底膜側でNa⁺を汲み出すことでNa⁺の濃度勾配が維持され、SGLT1によるグルコースの二次性能動輸送が駆動される。
- よくある間違い: 水の吸収を能動輸送と思いがちであるが、水は浸透(受動輸送)で移動する。
| 物質 | 小腸での吸収様式 | 関与する輸送体・原理 |
|---|---|---|
| グルコース | 能動輸送 | SGLT1(Na⁺共輸送)→GLUT2 |
| 水 | 受動(浸透) | 浸透圧差 |
| 脂肪酸 | 受動(拡散) | 脂質二重層を直接透過 |
| Cl⁻ | 受動 | 電気化学的勾配 |
表: 小腸における主な物質の吸収様式
『理由で解く 生理学』 Kindle版
本書は、生理学の各テーマを「機序・因果」の観点から再構成し、
知識の断片化を防ぎながら、臨床・学習現場で再利用しやすい理解を目指しています。初学者の学習補助だけでなく、授業設計・復習教材としても活用いただければ幸いです。
Kindle Unlimitedでも使えます。
理由で解く 生理学: 国家試験問題 941問 完全攻略 理由で解く国試過去問






コメント