問題
物質の移動に際して化学エネルギーが必要なのはどれか。
- 拡散
- 浸透
- 能動輸送
- ろ過
解答: 3(能動輸送)
解説
- 誤り。拡散は濃度勾配に従う受動的な物質移動であり、化学エネルギーは不要である。
- 誤り。浸透は浸透圧差(濃度差)による水の移動であり、化学エネルギーは不要である。
- 正しい。能動輸送は濃度勾配に逆らって物質を移動させるため、ATP(化学エネルギー)の消費が必要である。→代表例はナトリウムポンプ(Na⁺-K⁺ ATPase)で、常時エネルギーを使って細胞内のNa⁺を細胞外にくみ出している。→拡散や浸透は受動輸送に分類され、エネルギーを必要としない。→ろ過は圧力差による移動で、化学エネルギーではなく物理的な圧力が駆動力である。
- 誤り。ろ過は圧力差による物質の移動であり、化学エネルギーではなく圧力が駆動力である。
ポイント
- 能動輸送は「濃度勾配に逆らう」「ATP(化学エネルギー)が必要」の2点がキーワードである。
- 覚え方のコツ: 「能動=能力を動かす=エネルギーが要る」と語感で覚える。対して「受動=受け身=自然に流れる」である。
- 関連知識: ナトリウムポンプは細胞内外のNa⁺/K⁺濃度差を維持し、静止膜電位の形成に寄与する。
- よくある間違い: ろ過を「エネルギーが必要」と誤答しやすいが、ろ過の駆動力は圧力差(血圧など)であり化学エネルギーではない。
| 移動様式 | エネルギー | 方向 | 例 |
|---|---|---|---|
| 拡散 | 不要(受動) | 高濃度→低濃度 | O₂、CO₂の移動 |
| 浸透 | 不要(受動) | 低張側→高張側(水) | 細胞膜を介した水移動 |
| 能動輸送 | 必要(ATP) | 低濃度→高濃度 | Na⁺-K⁺ポンプ |
| 膜動輸送 | 必要 | 膜の変形による | 食作用、開口放出 |
| 濾過 | 圧力差 | 高圧側→低圧側 | 糸球体濾過 |
表: 物質移動の様式
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