問題
解糖系で生成される高エネルギー化合物はどれか。
- ピルビン酸
- ATP
- グリコーゲン
- 乳酸
解答: 2(ATP)
解説
- 誤り。ピルビン酸は解糖系の最終産物であるが、高エネルギーリン酸結合を持たないため高エネルギー化合物ではない。
- 正しい。解糖系では細胞質内でグルコースが酵素の働きによってピルビン酸に分解される過程で、1モルのグルコースから2モルのATP(アデノシン三リン酸)が生成される。ATPは高エネルギーで結合しているリン酸基を持ち、これが分解されるときに遊離されるエネルギーが細胞の活動に利用される。解糖系はO₂を必要としない嫌気的過程であり、細胞質で行われる。なお、ミトコンドリア内のクエン酸回路と電子伝達系を合わせると、合計38モルのATPが産生される。
- 誤り。グリコーゲンはグルコースの貯蔵型多糖類であり、解糖系で生成されるものではない。むしろグリコーゲンが分解されてグルコースが供給される。
- 誤り。乳酸は嫌気的条件下でピルビン酸から生成される物質であるが、高エネルギーリン酸結合を持たないため高エネルギー化合物ではない。
ポイント
- 解糖系(細胞質、嫌気的)では1モルのグルコースから2モルのATPが生成される。ATPが唯一の高エネルギー化合物である。
- 覚え方のコツ: 「解糖系のATP=2モル」「クエン酸回路=2モル」「電子伝達系=34モル」→合計38モルとセットで覚える。
- 関連知識: 解糖系はO₂不要(嫌気的)で細胞質で行われる。一方、クエン酸回路と電子伝達系はO₂が必要(好気的)でミトコンドリア内で行われる。
- よくある間違い: ピルビン酸や乳酸は解糖系の「産物」ではあるが「高エネルギー化合物」ではない。高エネルギー化合物=ATPと明確に区別する。
| 代謝経路 | 場所 | O₂の要否 | ATP産生量(/グルコース1モル) |
|---|---|---|---|
| 解糖系 | 細胞質 | 不要(嫌気的) | 2モル |
| クエン酸回路 | ミトコンドリア | 必要(好気的) | 2モル |
| 電子伝達系 | ミトコンドリア | 必要(好気的) | 34モル |
| 合計 | ― | ― | 38モル |
表: エネルギー代謝経路とATP産生量
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