問題
好気的エネルギー代謝でATPを産生する細胞小器官はどれか。
- ゴルジ装置
- ミトコンドリア
- 中心体
- 小胞体
解答: 2(ミトコンドリア)
解説
- 誤り。ゴルジ装置は小胞体から受け取ったタンパク質を濃縮・分泌する器官であり、ATP産生には関与しない。
- 正しい。ミトコンドリアは内外2枚の膜からなる棒状の小器官で、内膜にはクリステと呼ばれる突起がある。ミトコンドリア内ではクエン酸回路(TCAサイクル)と電子伝達系(酸化的リン酸化)が行われ、好気的条件下で大量のATPを合成・供給する。1モルのグルコースからは、解糖系(細胞質)で2モル、クエン酸回路で2モル、電子伝達系で34モル、合計38モルのATPが産生される。ミトコンドリアは「細胞のエネルギー工場」と呼ばれる。
- 誤り。中心体は1対の円筒状の小体からなり、細胞分裂時の紡錘体形成に働く器官である。
- 誤り。小胞体には粗面小胞体(タンパク質合成)と滑面小胞体(脂質合成・Ca²⁺貯蔵など)があるが、ATP産生は行わない。
ポイント
- ミトコンドリアは好気的代謝(クエン酸回路+電子伝達系)によりATPを大量に合成・供給する細胞小器官である。
- 覚え方のコツ: 「ミト=ATP工場」と覚える。解糖系は細胞質、クエン酸回路と電子伝達系はミトコンドリアという「場所の違い」がよく問われる。
- 関連知識: 解糖系(第1章C節)は細胞質で行われ、O₂を必要としない嫌気的過程である。ミトコンドリア内の反応はO₂を必要とする好気的過程(内呼吸)である。
- よくある間違い: 「ATP産生=ミトコンドリアだけ」と思いがちだが、解糖系(細胞質)でも2モルのATPが産生される。ただし好気的代謝の主役はミトコンドリアである。
| 細胞小器官 | 主な機能 | 特徴 |
|---|---|---|
| ミトコンドリア | ATP産生(好気的代謝) | 二重膜、クリステ構造 |
| ゴルジ装置 | タンパク質の濃縮・分泌 | 扁平な袋の積み重ね |
| 粗面小胞体 | タンパク質合成 | リボソーム付着 |
| 滑面小胞体 | 脂質合成、Ca²⁺貯蔵 | リボソームなし |
| リソソーム | 不要物質の分解 | 加水分解酵素を含む |
| 中心体 | 細胞分裂(紡錘体形成) | 1対の円筒状小体 |
表: 主要な細胞小器官の機能一覧
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