細胞において核の外に遺伝情報を伝えるのはどれか (2014年 あマ指 問題16)

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ポイントだけを暗記するのではなく、教科書を理解するための副教材の決定版。理解をすることで記憶は強固になり、忘れなくなります。 そして解剖学の理解は臨床力への豊かな土壌となります。解剖を得意科目にして将来に役立てたい。そんな方におすすめです。

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2 解説、一問一答、国試過去問で効率良く学べる
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細胞において核の外に遺伝情報を伝えるのはどれか (2014年 あマ指 問題16)

1 DNA
二重らせん構造で核内に遺伝情報を保管している(p.8 遺伝子)

2 ○ RNA
DNAの遺伝情報から必要な情報がmRNAに写し取られ (転写) 、核膜孔より出て核の外に伝えられる。核の外にでたmRNAはリボソームに結合し、リボソームがmRNA上に記録されたアミノ酸配列の情報を読み取って、tRNAが指定されたアミノ酸を運んできて、アミノ酸同士が結合し蛋白質となる。これを翻訳という。(p.6 細胞核, p.10 遺伝子発現)

3 リボソーム
mRNAのアミノ酸配列を翻訳し、蛋白質を合成する細胞小器官。DNAに組み込まれた遺伝子情報がmRNAに転写され、リボソームで翻訳されて蛋白質ができる一連の過程を遺伝子発現という。(p.10 遺伝子発現)

4 ミトコンドリア
酸素を用いて糖を燃やしてATPを得る。ATPは生命活動のエネルギー原となる。これを内呼吸といい、内呼吸のうち解糖は細胞質内で無酸素で行われる。その後TCA回路(クエン酸回路)、電子伝達系はミトコンドリア内で酸素を用いて行われる。内呼吸では1モルのグルコースから解糖系で2モルのATP、クエン酸回路でさらに2モル、電子伝達系で34モルのATPが生じ、合計38モルのATPが得られる。(p.5 細胞小器官 – ミトコンドリア)(生p.8 解糖と内呼吸)


遺伝子(p.8 遺伝子)

タンパク質は人体を構成する重要な物質である。また運動や代謝などの人体活動を支えているのは酵素である。この酵素もタンパク質からできている。タンパク質は20種類のアミノ酸がペプチド結合によりつながったポリペプチドからできており、どのアミノ酸がどんな順序でいくつ結合するかにより、様々な種類のタンパク質がつくられる。
ほとんどのタンパク質は、50~2,000個(多くは100~400個)のペプチドの集まりよりなる。これらのアミノ酸の配列を決めているのは細胞の核にある遺伝子である。つまり遺伝子は遺伝情報、すなわちアミノ酸の配列に関する情報を持っている。遺伝子の本体はDNAであるが、鎖の形をしたDNA分子は46本の染色体の中に密に折りたたまれて収納されており、それを引き伸ばすと、長さは1. 7mにもなる。
ヒトのDNAは約3万個の遺伝子を含むといわれ、1つの遺伝子はアミノ酸が一定の順序につながった1つのタンパク質を決定する。一人の人間をつくる遺伝子の集まりをゲノムという。DNAに組み込まれた遺伝子が持っている遺伝子情報に基づきタンパク質が構成される過程を遺伝子発現という。遺伝子発現はDNAとRNAと呼ばれる2種類の核酸によって行われる。

核酸

核酸はヌクレオチドと呼ばれる分子が鎖のようにつながってできている。ヌクレオチドは塩基・糖・リン酸の3つの成分が結合したものである。DNA、RNAはともに核酸であるが、両者の聞では糖と塩基の種類が異なる。DNAの糖はデオキシリボースであるが、RNAではリボースとなっている。塩基はDNAもRNAも4種類の塩基が使われる。DNAではアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)であるが、RNAではチミン(T)の代わりにウラシル(U)が使われる。DNAおよびRNAは、塩基・糖・リン酸が集まってヌクレオチドをつくり、それらが鎖のようにつながってできている。DNAおよびRNAの分子の鎖の中での4種類の塩基の並び方を塩基配列と呼ぶ。

遺伝情報

塩基配列はATCGの4つの文字の組み合わせであるが、ヒトのDNAの境基配列は30億文字にも及ぶ。この塩基配列は3文字で1つのアミノ酸を指定する(遺伝暗号)。たとえばDNAでは、ATGと並べばメチオニンを、TTCと並べばフェニールアラニンを指定し、ATGTTCと並べばメチオニン-フェニールアラニンとの順にアミノ酸が結合される。

情報の伝達

DNAの鎖から塩基Aが突き出ていると、他方の鎖からはTが突き出て、2つの塩基は水素結合によって結合している。同様に塩基Gは塩基Cと向き合って結合している。このようにDNAの二重ラセンでは、一方の鎖の塩基が決まれば他方の塩基配列も自動的に決まる。2つの鎖の塩基配列の聞に見られるこのような関係を相補性という。細胞分裂が始まる前には二重ラセンをつくるDNAの鎖はほぐれて、それぞれのDNAの鎖は新しい2組の二重ラセンをつくる。その際、塩基配列は相補性の原則に従ってつくられるので、全く同じ遺伝子情報を持つ複製がつくられる。

遺伝子発現

タンパク質の合成はRNAによって行われる。RNAはその役割により3種類が区別される。mRNA(メッセンジャーRNA)はアミノ酸配列に関する遺伝情報をDNAから写し取って(転写)、核から細胞質に移り、タンパク質合成が行われるリボソームに伝令する。
rRNA(リボソームRNA)はリボソームの構成成分である。tRNA(運搬RNA)はアミノ酸と結合してリボソームに運搬する。tRNAが運搬したアミノ酸はリボソームで結びつけられて遺伝情報に従ったアミノ酸の鎖が延長し(遺伝情報の翻訳)、タンパク質の合成が進行する(遺伝子発現)。

※ この問題には詳細解説もあります。さらに理解を深めたい場合にどうぞ。

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