問題
骨格筋の神経支配の記述で正しいのはどれか。
- 1 本の筋線維は1 個の運動ニューロンに支配される。
- 精密運動に関与する筋の神経支配比は大きい。
- α運動ニューロンは錘内筋線維を支配する。
- 神経筋接合部は抑制性シナプスである。
解答: 1(1 本の筋線維は1 個の運動ニューロンに支配される。)
解説
- 正しい。1本の筋線維は必ず1個のα運動ニューロンのみに支配される(一対一の原則)。一方、1個のα運動ニューロンは複数の筋線維を支配しており、この1個のα運動ニューロンとそれが支配するすべての筋線維群を合わせて「運動単位」と呼ぶ。運動単位は骨格筋の収縮における最小の機能単位である。
- 誤り。精密運動に関与する筋(例:外眼筋、手指の筋)の神経支配比は小さい。1個の運動ニューロンが少数の筋線維を支配するため、細かい運動制御が可能となる。
- 誤り。α運動ニューロンは錘外筋線維を支配する。錘内筋線維を支配するのはγ運動ニューロンである。
- 誤り。神経筋接合部はアセチルコリン(ACh)を伝達物質とする興奮性シナプスであり、終板電位を発生させて筋の活動電位を誘発する。骨格筋の神経筋接合部に抑制性シナプスは存在しない。
ポイント
「1本の筋線維=1個の運動ニューロン」が原則であり、運動単位の概念と神経支配比の大小を理解する。
- 覚え方のコツ: 「筋線維から見れば”一途”に1個のニューロン」「ニューロンから見れば”複数”の筋線維を支配」と支配関係の方向を区別する。神経支配比は「精密=小」「粗大=大」。
- 関連知識: 運動単位の動員はサイズの原理に従い、小さな運動単位(遅筋線維)から大きな運動単位(速筋線維)の順に動員される。筋力の段階的調節にはこの原理が重要である。
- よくある間違い: 「神経支配比が大きい=精密な運動」と逆に覚えるケース。神経支配比が小さいほど1本1本の筋線維を細かく制御できるため、精密な運動が可能となる。
- 教科書では「a.運動単位とα運動ニューロン」の範囲に該当する。
| 筋 | 神経支配比 | 運動の種類 |
|---|---|---|
| 外眼筋 | 約1:3(小さい) | 精密運動 |
| 手指の筋 | 約1:100(小さい) | 精密運動 |
| 大腿四頭筋 | 約1:2000(大きい) | 粗大運動 |
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