問題
骨格筋の収縮について誤っている記述はどれか。
- 熱を産生する。
- 疲労が起こる。
- 収縮に加重が起こる。
- 心筋よりも不応期が長い。
解答: 4(心筋よりも不応期が長い。)
解説
- 正しい。骨格筋の収縮ではATP加水分解に伴い化学エネルギーの大部分(約75〜80%)が熱エネルギーに変換される。この熱産生は体温維持に寄与する。
- 正しい。骨格筋は持続的な収縮によりATPが枯渇し、乳酸やリン酸が蓄積して筋疲労が起こる。グリコーゲンの枯渇も疲労の一因である。
- 正しい。骨格筋では不応期が短い(約1〜3ms)ため、前の収縮が完了する前に次の刺激に応答でき、時間的加重(単収縮の重ね合わせ)が起こる。これにより強縮が生じる。
- 誤り。骨格筋の不応期は約1〜3msと極めて短く、心筋の不応期(約200〜300ms)よりはるかに短い。骨格筋の不応期が短いからこそ時間的加重(強縮)が可能となる。逆に心筋は不応期が長いため強縮が起こらず、規則正しい拍動が維持される。
ポイント
骨格筋の不応期は心筋より「短い」という事実は、強縮の可否と直結する頻出テーマであり最重要である。
- 覚え方のコツ: 「骨格筋:不応期短い→加重できる→強縮OK」「心筋:不応期長い→加重できない→強縮NG→拍動維持」と対で覚える。
- 関連知識: 心筋の長い不応期は致死的不整脈(心室細動など)を防ぐ仕組みでもある。臨床では不応期の概念が抗不整脈薬の作用機序の理解に必要となる。
- よくある間違い: 問題761、766、777と類似テーマが繰り返し出題されている。「骨格筋の不応期は心筋より長い」という誤りのパターンを確実に見抜けるようにする。
- 教科書では「c.単収縮と強縮」の範囲に該当する。
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