問題
随意運動の伝導路はどれか。
- 皮質脊髄路
- 後索路
- 脊髄視床路
- 網様体脊髄路
解答: 1(皮質脊髄路)
解説
- 正しい。皮質脊髄路(錐体路)は大脳皮質の一次運動野から脊髄前角の運動ニューロンへ至る随意運動の主要な下行性伝導路である。延髄の錐体で大部分(約80%)が交叉(錐体交叉)し、対側の脊髄側索を下行して骨格筋の随意的な運動を支配する。損傷すると対側の随意運動障害(錐体路徴候)が生じる。
- 誤り。後索路(後索-内側毛帯路)は触覚・深部感覚(位置覚・振動覚)を伝える上行性感覚伝導路であり、運動の伝導路ではない。
- 誤り。脊髄視床路は痛覚・温度覚を伝える上行性感覚伝導路であり、運動の伝導路ではない。
- 誤り。網様体脊髄路は錐体外路系に属する下行路であり、姿勢制御や筋緊張の調節に関与する不随意的な経路である。
ポイント
皮質脊髄路(錐体路)が随意運動の主経路であり、大脳皮質運動野→内包→大脳脚→延髄錐体(交叉)→脊髄前角の経路をたどる。
- 覚え方のコツ: 「皮質脊髄路=錐体路=随意運動」の3つをセットで記憶する。「後索」と「脊髄視床」は名前に「脊髄→脳」方向の意味があるので上行性(感覚)と判断できる。
- 関連知識: 問624でも随意運動に関与する下行路が出題されている。錐体路障害ではバビンスキー反射陽性・痙性麻痺・深部腱反射亢進が臨床的に重要である。
- よくある間違い: 網様体脊髄路も下行路であるため随意運動の経路と混同しやすいが、網様体脊髄路は錐体外路系(不随意的な姿勢・筋緊張調節)に分類される。
- 教科書では「d.脊髄内の伝導路」の範囲に該当する。
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