問題
退縮するのはどれか。
- 肝 臓
- 腎 臓
- 膵 臓
- 胸 腺
解答: 4(胸 腺)
解説
- 誤り。肝臓は加齢により若干の萎縮や機能低下はあるが、胸腺のような顕著な退縮は起こらない。
- 誤り。腎臓は加齢により糸球体数の減少や腎血流量の低下が起こるが、胸腺のような退縮とは異なる。
- 誤り。膵臓は加齢による機能変化はあるが、胸腺のように脂肪組織に置換されるような明確な退縮は見られない。
- 正しい。胸腺は思春期に最大に発達した後、加齢とともに退縮(萎縮)する代表的な臓器である。スキャモンの発育曲線ではリンパ型に分類され、思春期に成人の約200%まで増大した後、成人にかけて退縮し脂肪組織に置換されていく。胸腺はT細胞の分化・成熟(自己と非自己の識別教育)の場として免疫系の確立に重要な役割を果たす。
ポイント
胸腺は思春期に最大に達した後に退縮する唯一の臓器であり、スキャモンの発育曲線のリンパ型の代表である。
- 覚え方のコツ: 「胸腺=”T”細胞の学校」→ 学校(胸腺)は卒業(思春期以降)したら縮小すると連想する。
- 関連知識: 胸腺の退縮後もT細胞の産生は末梢リンパ組織で維持されるが、新しいT細胞の産生能力は低下する。高齢者の免疫力低下(免疫老化)の一因である。重症筋無力症は胸腺腫と関連することがある。
- よくある間違い: 「退縮」と「加齢による機能低下」を混同しないこと。肝臓・腎臓も加齢で機能は低下するが、臓器自体が脂肪組織に置換されるような退縮を起こすのは胸腺である。
- 教科書では「c.各器官の成長」の範囲に該当する。
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