問題
迷走神経の支配で正しいのはどれか。
- 眼球の運動
- 唾液の分泌
- 舌筋の運動
- 胃腸管の運動
解答: 4(胃腸管の運動)
解説
- 誤り。眼球の運動は動眼神経(III)、滑車神経(IV)、外転神経(VI)が支配する。迷走神経は眼球運動に関与しない。
- 誤り。唾液の分泌は顔面神経(VII:顎下腺・舌下腺)や舌咽神経(IX:耳下腺)が支配する。迷走神経の支配ではない。
- 誤り。舌筋の運動は舌下神経(XII)が支配する。迷走神経は喉頭の筋に関与するが舌筋は支配しない。
- 正しい。迷走神経(第X脳神経)は副交感神経の主要な成分を含み、胃腸管の蠕動運動を促進し消化液の分泌を促す。迷走神経は12対の脳神経の中で最も広い分布域を持ち、頸部から胸部・腹部にかけて心臓(心拍数低下)、気管支(収縮)、消化管(蠕動促進・消化液分泌促進)などを広範に支配する。ただし下行結腸以下の骨盤内臓器は骨盤内臓神経が担う。
ポイント
迷走神経(X)は最も広い分布域を持つ脳神経であり、副交感神経の主要成分として胃腸管の運動促進・消化液分泌促進を行う。
- 覚え方のコツ: 「迷走神経は”迷走”するほど広く走る」→ 頸部から腹部まで広範に分布することを名前から連想する。
- 関連知識: 迷走神経反射(血管迷走神経反射)は、迷走神経の過剰な興奮により徐脈・血圧低下・失神を起こす臨床的に重要な現象である。注射や痛みなどの刺激で誘発されることがある。
- よくある間違い: 唾液分泌は迷走神経ではなく顔面神経(VII)と舌咽神経(IX)が担う。迷走神経が支配するのは消化管の運動と消化液(胃液など)の分泌である。
- 教科書では「b.末梢神経系の機能」の範囲に該当する。
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