問題
跳躍伝導をする線維はどれか。
- 無髄神経線維
- 有髄神経線維
- 骨格筋線維
- 心筋線維
解答: 2(有髄神経線維)
解説
- 誤り。無髄神経線維は髄鞘がないため連続伝導(局所電流が隣接部位を順次脱分極させる方式)を行い、跳躍伝導はしない。伝導速度は遅い(C線維で0.5〜2m/s)。
- 正しい。有髄神経線維は髄鞘(ミエリン鞘)で被覆されており、活動電位はランビエ絞輪の間を飛び越えるように伝わる跳躍伝導を行う。髄鞘は絶縁体として働くため、イオン電流はランビエ絞輪でのみ発生する。これにより伝導速度が著しく速くなり(Aα線維で70〜120m/s)、Na⁺チャネルの開閉がランビエ絞輪に限定されるためエネルギー効率も高い。髄鞘は末梢ではシュワン細胞、中枢ではオリゴデンドロサイトが形成する。
- 誤り。骨格筋線維は筋細胞であり、神経線維の伝導形式である跳躍伝導は行わない。筋線維では活動電位がT管を介して筋小胞体に伝わる。
- 誤り。心筋線維は介在板のギャップ結合を介して興奮が伝播するが、跳躍伝導ではない。
ポイント
跳躍伝導=有髄神経線維の特徴であり、ランビエ絞輪間を活動電位が「跳躍」することで高速かつ省エネルギーな伝導を実現する。
- 覚え方のコツ: 「有髄=跳躍(速い)」「無髄=連続(遅い)」と対にして覚える。「髄鞘があるから”跳べる”」と連想する。
- 関連知識: 多発性硬化症(中枢の脱髄)やギラン・バレー症候群(末梢の脱髄)では髄鞘が障害されて跳躍伝導が不能となり、伝導速度の低下や伝導ブロックが起こる。脱髄疾患の病態理解に直結する重要知識である。
- よくある間違い: 「骨格筋線維」や「心筋線維」を神経線維と混同して跳躍伝導すると考えてしまうケースがある。跳躍伝導はあくまで「有髄神経線維」に特有の現象である。
- 教科書では「c.興奮の伝導」の範囲に該当する。
| 項目 | 有髄線維 | 無髄線維 |
|---|---|---|
| 髄鞘 | あり | なし |
| 伝導様式 | 跳躍伝導 | 連続伝導 |
| 伝導速度 | 速い(最大120m/s) | 遅い(最大2m/s) |
| エネルギー効率 | 高い | 低い |
| 髄鞘形成細胞 | シュワン細胞(末梢)/オリゴデンドロサイト(中枢) | — |
表: 有髄線維と無髄線維の比較
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