問題
赤血球の新生について正しい記述はどれか。
- 鉄は不要である。
- 成人では主に脾臓で起こる。
- エリスロポエチンにより抑制される。
- 赤血球への成熟過程で細胞核は消失する。
解答: 4(赤血球への成熟過程で細胞核は消失する。)
解説
- 誤り。鉄は赤血球新生に不可欠である。→ 鉄はヘモグロビンのヘム部分の構成材料として必須であり、鉄欠乏では鉄欠乏性貧血を生じる。→ 女性は月経・妊娠・授乳により鉄を失いやすく、男性より多くの鉄補給が必要である。
- 誤り。成人の赤血球産生は主に骨髄で行われる(脾臓ではない)。→ 骨髄の幹細胞が前赤芽球→赤芽球→成熟赤血球へと分化する。→ 脾臓は赤血球の破壊(膜が古くなった赤血球の捕捉・溶血)を担う臓器である。
- 誤り。エリスロポエチンは赤血球産生を抑制ではなく促進する。→ 腎臓から分泌されるホルモンで、骨髄に作用して赤血球の新生を促進する。→ 低酸素状態が続くとエリスロポエチンの分泌が増加する。
- 正しい。赤血球は骨髄での成熟過程で核を消失する。→ 幹細胞から前赤芽球、赤芽球を経て成熟する過程で核が放出され、無核の赤血球となる。→ 核を失うことで内部スペースにヘモグロビンを大量に充填でき、効率的なO2運搬が可能になる。また核がないため増殖能はなく、寿命は約120日である。
ポイント
- 赤血球新生には「鉄」「ビタミンB12・葉酸」「エリスロポエチン」が必要であり、成熟過程で核は消失する。
- 覚え方のコツ: 赤血球の「生・死・場所」を整理する。「生まれる=骨髄」「死ぬ=脾臓」「促す=エリスロポエチン(腎臓産生)」。
- 関連知識: ビタミンB12の吸収には胃液中の内因子が必要であるため、胃全切除ではビタミンB12吸収不全から巨赤芽球性貧血(悪性貧血)が起こる。赤血球の寿命は約120日で、1日に全赤血球の約1%が破壊・新生される。
- よくある間違い: 赤血球の産生場所を「脾臓」と答えること。脾臓は破壊の場であり、産生は骨髄で行われる。また、エリスロポエチンの作用を「抑制」と逆に覚える間違いも多い。
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