問題
赤血球の働きとして誤っているのはどれか。
- pH の緩衝作用
- 酸素の運搬
- 二酸化炭素の運搬
- 抗体の産生
解答: 4(抗体の産生)
解説
- 正しい。ヘモグロビンは血液のpHの緩衝作用にも役立つ。ヘモグロビンはH⁺と結合して酸を中和するヘモグロビン緩衝系として機能する。
- 正しい。ヘモグロビンは、肺から組織へのO₂運搬に重要な役割を担う。これが赤血球の最も主要な働きである。
- 正しい。CO₂も一部はヘモグロビンと結合して運ばれるが、大部分は重炭酸イオン(HCO₃⁻)として運ばれる。赤血球はCO₂運搬にも関与する。
- 誤り。抗体の産生はB細胞(形質細胞に分化後)の機能であり、赤血球の働きではない。γ-グロブリンは抗体として免疫反応に関与。γ-グロブリンは形質細胞で合成される。赤血球は成熟過程で核を失うため、タンパク質(抗体を含む)の新規合成能力を持たない。
ポイント
- 赤血球の3大機能は「O₂運搬・CO₂運搬・pH緩衝」であり、いずれもヘモグロビンが担う。抗体産生は白血球(形質細胞)の機能である。
- 覚え方のコツ: 「赤血球=ヘモグロビンの3つの仕事(O₂・CO₂・pH)」と覚え、免疫は白血球と区別する。
- 関連知識: 赤血球は核を持たないため増殖もタンパク質合成もできない。寿命は約120日で脾臓で破壊される。
- よくある間違い: 「赤血球にはCO₂運搬の機能がない」と誤解するケース。CO₂の大部分はHCO₃⁻として運ばれるが、一部はヘモグロビンと直接結合して運ばれる。
| 赤血球の機能 | 機序 | 関連物質 |
|---|---|---|
| O₂運搬 | ヘモグロビンがO₂と結合(HbO₂) | ヘモグロビン |
| CO₂運搬 | 一部はHbと結合、大部分はHCO₃⁻として | ヘモグロビン、炭酸脱水酵素 |
| pH緩衝 | HbがH⁺と結合して酸を中和 | ヘモグロビン緩衝系 |
| 抗体産生 | 赤血球の機能ではない | B細胞(形質細胞)の機能 |
表: 赤血球の機能と抗体産生の比較
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