問題
赤血球について正しいのはどれか。
- 腎臓で産生される。
- 多核細胞である。
- 蒸留水に入れると溶血を起こす。
- 寿命は約7日である。
解答: 3(蒸留水に入れると溶血を起こす。)
解説
- 誤り。赤血球は骨髄で産生される。→腎臓はエリスロポエチンを分泌して赤血球の産生を調節する臓器であり、赤血球そのものの産生場所ではない。赤血球は、主に骨髄で産生される。
- 誤り。成熟赤血球は核を持たない無核細胞である。→赤血球は骨髄で成熟する過程で核が消失する。「赤血球は核を失った細胞である」「この過程で核は消失する」。
- 正しい。赤血球を蒸留水(低張液)に入れると溶血を起こす。→蒸留水は細胞外液よりも浸透圧が著しく低い低張液であり、浸透圧差により水が赤血球内に流入して細胞が膨張し、最終的に細胞膜が破れて溶血する。赤血球を低張液に入れると、水が赤血球内に入って赤血球が膨張し細胞膜が破れて溶血を起こす。これが水を静脈注射してはいけない理由である。
- 誤り。赤血球の寿命は約120日である。→約7日は血小板の寿命(5〜10日)に近い値であり、赤血球とは異なる。骨髄から血中に出た赤血球は、核を失っているので増殖能はなく、寿命は約120日である。
ポイント
- 赤血球は骨髄で産生され、核を持たず、寿命は約120日で、低張液で溶血する。
- 覚え方のコツ: 血球の寿命を対比で覚える。「赤血球120日、白血球数日〜数十年、血小板5〜10日」。赤血球が最も長寿。
- 関連知識: 老化した赤血球は脾臓で破壊され、ヘモグロビンはヘムとグロビンに分解される。ヘムから鉄が遊離してビリルビンが生成される。
- よくある間違い: 赤血球の産生場所を「腎臓」と誤答する。腎臓はエリスロポエチンを分泌して間接的に赤血球産生を「調節」するが、「産生」するのは骨髄。
| 血球 | 数(/mm³) | 寿命 | 主な機能 |
|---|---|---|---|
| 赤血球 | 男約500万/女約450万 | 約120日 | O₂・CO₂運搬 |
| 白血球 | 5,000〜9,000 | 好中球は短い(血中数時間〜1日程度、組織で1〜2日程度)。リンパ球は長い(数日〜年単位)。 | 免疫・防御 |
| 血小板 | 15〜40万 | 約10日 | 止血(血栓形成) |
表: 血球の種類と特徴
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