問題
血糖を下げるホルモンはどれか。
- グルカゴン
- ガストリン
- アドレナリン
- インスリン
解答: 4(インスリン)
解説
- 誤り。グルカゴンは膵臓ランゲルハンス島のα細胞から分泌され、肝グリコーゲン分解と糖新生を促進して血糖値を上昇させるホルモンである。
- 誤り。ガストリンは胃のG細胞から分泌される消化管ホルモンであり、胃酸分泌を促進する。血糖調節には直接関与しない。
- 誤り。アドレナリンは副腎髄質から分泌されるカテコールアミンであり、グリコーゲン分解を促進して血糖値を上昇させる。
- 正しい。インスリンは膵臓ランゲルハンス島のβ細胞から分泌される唯一の血糖低下ホルモンである。インスリンは筋肉・脂肪組織の細胞膜上のGLUT4を活性化してグルコース取り込みを促進し、肝臓でのグリコーゲン合成を促進し、糖新生を抑制することで血糖値を低下させる。血糖を上げるホルモンは多数あるが、下げるホルモンはインスリンのみである。
ポイント
血糖を低下させるホルモンはインスリンただ一つである。
- 覚え方のコツ: 「血糖を下げる=インスリン一択」と断言できるようにする。血糖上昇ホルモンは「グルカゴン・アドレナリン・コルチゾール・成長ホルモン・甲状腺ホルモン」と多数ある。
- 関連知識: インスリンの分泌不足はI型糖尿病、インスリン抵抗性はII型糖尿病の原因である。血糖値が正常空腹時で約70〜110 mg/dLに維持されるのは、インスリンと拮抗ホルモンのバランスによる。
- よくある間違い: グルカゴンはインスリンと同じ膵臓から分泌されるが、作用は正反対(血糖上昇)である。名前が似ているため注意する。
- 教科書では「f.膵臓のホルモン」の範囲に該当する。
| ホルモン | 血糖への作用 | 分泌部位 | 主な機序 |
|---|---|---|---|
| インスリン | 低下 | 膵島β細胞 | グルコース取り込み促進、グリコーゲン合成促進 |
| グルカゴン | 上昇 | 膵島α細胞 | 肝グリコーゲン分解、糖新生促進 |
| アドレナリン | 上昇 | 副腎髄質 | グリコーゲン分解促進 |
| コルチゾール | 上昇 | 副腎皮質 | 糖新生促進、タンパク質分解 |
| 成長ホルモン | 上昇 | 下垂体前葉 | 脂肪分解促進、インスリン拮抗 |
表: 血糖調節に関わるホルモン
『理由で解く 生理学』 Kindle版
本書は、生理学の各テーマを「機序・因果」の観点から再構成し、
知識の断片化を防ぎながら、臨床・学習現場で再利用しやすい理解を目指しています。初学者の学習補助だけでなく、授業設計・復習教材としても活用いただければ幸いです。
Kindle Unlimitedでも使えます。
理由で解く 生理学: 国家試験問題 941問 完全攻略 理由で解く国試過去問






コメント