問題
血糖について誤っているのはどれか。
- エネルギー源となる。
- グルカゴンの作用により減少する。
- グリコーゲンとして貯えられる。
- 食欲に関係する。
解答: 2(グルカゴンの作用により減少する。)
解説
- 誤り(=正しい記述)。血糖(グルコース)は全身の細胞の主要なエネルギー源であり、特に脳はグルコースをほぼ唯一のエネルギー源として利用する。
- 正しい(=誤った記述)。「グルカゴンの作用により血糖が減少する」は誤りである。グルカゴンは膵臓α細胞から分泌されるホルモンで、肝臓でのグリコーゲン分解と糖新生を促進して血糖値を上昇させる。血糖値を低下させるのはインスリン(膵β細胞)の作用であり、インスリンは唯一の血糖低下ホルモンである。
- 誤り(=正しい記述)。余剰のグルコースはグリコーゲンとして肝臓や骨格筋に貯蔵される。肝グリコーゲンは血糖維持に利用され、筋グリコーゲンは筋収縮のエネルギーとして利用される。
- 誤り(=正しい記述)。血糖値の変動は視床下部の摂食中枢(外側野)と満腹中枢(腹内側核)を介して食欲に関係する。血糖低下は空腹感を、血糖上昇は満腹感を引き起こす。
ポイント
グルカゴンは血糖を「上昇」させるホルモンであり、血糖を「低下」させる唯一のホルモンはインスリンである。
- 覚え方のコツ: 「血糖を下げるのはインスリンだけ(唯一)」→これが最重要。血糖を上げるホルモンは「グルカゴン・アドレナリン・コルチゾール・GH・甲状腺ホルモン」の5つ。
- 関連知識: 糖尿病はインスリン作用不足による慢性高血糖。1型は膵β細胞破壊(インスリン分泌↓)、2型はインスリン抵抗性増大が主因。低血糖時にはグルカゴンとアドレナリンが迅速に血糖を回復させる。
- よくある間違い: 「誤っているもの」を選ぶ問題では、正しい選択肢を誤りと判断してしまうミスに注意。グルカゴンの作用方向(上昇or低下)を確実に記憶する。
- 教科書では「f.膵臓のホルモン」の範囲に該当する。
| ホルモン | 血糖への作用 | 分泌部位 |
|---|---|---|
| インスリン | 低下↓(唯一) | 膵β細胞 |
| グルカゴン | 上昇↑ | 膵α細胞 |
| アドレナリン | 上昇↑ | 副腎髄質 |
| コルチゾール | 上昇↑ | 副腎皮質束状層 |
| 成長ホルモン | 上昇↑ | 下垂体前葉 |
| 甲状腺ホルモン | 上昇↑ | 甲状腺 |
表: 血糖調節ホルモンの一覧
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