問題
血漿蛋白のうち抗体として働くのはどれか。
- アルブミン
- フィブリノーゲン
- アルファグロブリン
- ガンマグロブリン
解答: 4(ガンマグロブリン)
解説
- 誤り。アルブミンは血漿蛋白の約60%を占め、膠質浸透圧の維持や物質(ビリルビン、脂肪酸、薬物など)の運搬に関与するが、抗体としては機能しない。
- 誤り。フィブリノーゲンは血液凝固因子(第I因子)であり、トロンビンの作用でフィブリンに変換されて血栓を形成する。抗体ではない。
- 誤り。アルファグロブリン(α-グロブリン)は脂質やホルモンの運搬に関与する輸送蛋白質であり、抗体ではない。
- 正しい。ガンマグロブリン(γ-グロブリン)は免疫グロブリン(抗体)として働く血漿蛋白質である。B細胞から分化した形質細胞によって産生され、IgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5クラスが存在する。抗原と特異的に結合して中和・オプソニン化・補体活性化などにより病原体を排除し、液性免疫の主要なエフェクターである。
ポイント
血漿蛋白の電気泳動分画でγ-グロブリン分画に属するのが免疫グロブリン(抗体)であり、肝臓ではなくB細胞(形質細胞)が産生する点が重要である。
- 覚え方のコツ: 「ガンマ(γ)→免疫(Immunity)グロブリン」と覚える。血漿蛋白の電気泳動で最も陰極側に移動するのがγ-グロブリンである。
- 関連知識: 肝臓はアルブミン、フィブリノーゲン、α-グロブリン、β-グロブリンを合成するが、γ-グロブリンのみ形質細胞が産生する。この違いは問題919にも関連する。
- よくある間違い: 「γ-グロブリンも肝臓で合成される」と誤認しやすい。γ-グロブリンだけは肝臓産生ではなく形質細胞産生である。
- 教科書では「d.免疫系に働く液性因子」の範囲に該当する。
| 血漿蛋白分画 | 産生場所 | 主な機能 |
|---|---|---|
| アルブミン(約60%) | 肝臓 | 膠質浸透圧維持、物質運搬 |
| α-グロブリン | 肝臓 | 脂質・ホルモン運搬 |
| β-グロブリン | 肝臓 | トランスフェリン等の運搬 |
| γ-グロブリン(約20%) | 形質細胞 | 抗体(免疫グロブリン) |
| フィブリノーゲン | 肝臓 | 血液凝固(第I因子) |
表: 血漿蛋白の分類と機能
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