問題
血液の酸塩基平衡を保つのに重要なイオンはどれか。
- 重炭酸イオン
- マグネシウムイオン
- カリウムイオン
- カルシウムイオン
解答: 1(重炭酸イオン)
解説
- 正しい。重炭酸イオン(HCO₃⁻)は血液の酸塩基平衡を維持する最も重要な緩衝系(重炭酸緩衝系)の構成成分である。血液中でCO₂とHCO₃⁻との間に平衡が成り立つ。H₂O+CO₂⇌H₂CO₃⇌H⁺+HCO₃⁻の平衡反応により、血液中に酸が入るとただちに平衡が左側に傾き中和する。緩衝作用の結果生じたCO₂は肺から排出されるため、生体における意義は特に大きい。
- 誤り。マグネシウムイオン(Mg²⁺)は酵素活性の補因子として働くが、酸塩基平衡の主要な緩衝系の構成成分ではない。
- 誤り。カリウムイオン(K⁺)は細胞の静止膜電位の維持に重要であるが、酸塩基平衡の主要な緩衝因子ではない。
- 誤り。カルシウムイオン(Ca²⁺)は筋収縮や血液凝固に関与するが、酸塩基平衡の主な調節因子ではない。
ポイント
- 重炭酸イオン(HCO₃⁻)は重炭酸緩衝系の構成成分であり、血液pHを7.35〜7.45に維持する最も重要な緩衝系である。
- 覚え方のコツ: 「重炭酸=重要な酸塩基」と語呂で対応させる。緩衝系には重炭酸・リン酸・血漿タンパク・ヘモグロビンの4つがあるが、最も重要なのは重炭酸緩衝系である。
- 関連知識: CO₂は肺から、H⁺は腎臓から排泄され、その結果、血液のpHは一定に保たれうる。酸塩基平衡は緩衝系だけでなく、肺(呼吸性調節)と腎臓(代謝性調節)の3つの仕組みで維持される。
- よくある間違い: 「Cl⁻やNa⁺は血漿中に多いから緩衝に関与する」と思いがちだが、Na⁺やCl⁻は浸透圧の維持には重要でも、緩衝系の主役ではない。
| 緩衝系 | 構成成分 | 特徴 |
|---|---|---|
| 重炭酸緩衝系 | CO₂ / HCO₃⁻ | 最も重要。CO₂は肺から排出される |
| リン酸緩衝系 | H₂PO₄⁻ / HPO₄²⁻ | 血中濃度が低く寄与は少ない |
| 血漿タンパク緩衝系 | 血漿タンパク | 多価の弱酸として働く |
| ヘモグロビン緩衝系 | Hb / HbO₂ | H⁺と結合しやすい性質を持つ |
表: 血液の主な緩衝系
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