問題
血圧を上昇させる要因はどれか。
- 抵抗血管の拡張
- 迷走神経活動の亢進
- 心拍出量の増加
- 圧受容器活動の亢進
解答: 3(心拍出量の増加)
解説
- 誤り。抵抗血管(細動脈)が拡張すると末梢血管抵抗が低下するため、血圧は低下する。細動脈の血管抵抗は特に大きく、抵抗血管ともいう。
- 誤り。迷走神経(副交感神経)活動の亢進は心拍数を低下させ、心拍出量が減少するため血圧は低下する。「副交感神経活動が亢進すると心拍数の減少」が起こる。
- 正しい。血圧は心拍出量と総末梢抵抗の積で決まるため、心拍出量の増加は直接的に血圧上昇をもたらす。動脈圧は、心拍出量と総末梢抵抗の積で表される。運動時や交感神経活動亢進時には、心拍数と1回拍出量の増加により心拍出量が増大し、特に収縮期血圧が上昇する。
- 誤り。圧受容器(頸動脈洞・大動脈弓)活動の亢進は、血圧が上昇した際に起こる反応であり、反射的に交感神経活動を低下させ副交感神経活動を亢進させるため、結果として血圧は低下する。「心臓と血管支配の交感神経の活動が低下し、心臓支配の迷走神経の活動が亢進し」血圧が下降する。
ポイント
- 血圧=心拍出量×総末梢抵抗であり、心拍出量の増加は血圧上昇の直接的要因である。
- 覚え方のコツ: 血圧を「上げる」要因と「下げる」要因を対比で整理する。交感神経=上げる(心拍出量↑・血管収縮)、副交感神経=下げる(心拍数↓)、圧受容器反射=下げる(フィードバック制御)。
- 関連知識: 圧受容器反射は血圧の短期調節に重要であり、血圧上昇→圧受容器興奮→交感神経抑制+迷走神経亢進→血圧低下という負のフィードバック機構で作動する。長期的な血圧調節にはレニン-アンジオテンシン系やバゾプレッシンなどのホルモン性調節が関与する。
- よくある間違い: 「圧受容器活動の亢進」を血圧上昇と結びつけやすいが、圧受容器は血圧が高い時に活動が亢進し、反射的に血圧を「下げる」方向に働くフィードバック機構である。
| 要因 | 血圧への影響 | 機序 |
|---|---|---|
| 心拍出量の増加 | 上昇 | 血圧=CO×TPRのCO増加 |
| 抵抗血管の収縮 | 上昇 | 末梢血管抵抗↑ |
| 抵抗血管の拡張 | 低下 | 末梢血管抵抗↓ |
| 迷走神経活動亢進 | 低下 | 心拍数↓→心拍出量↓ |
| 交感神経活動亢進 | 上昇 | 心拍数↑・血管収縮 |
| 圧受容器活動亢進 | 低下 | 反射的に交感神経↓・迷走神経↑ |
表: 血圧に影響する主な要因と機序
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