問題
蓄尿時に興奮が高まらないのはどれか。
- 膀胱平滑筋支配の下腹神経
- 膀胱平滑筋支配の骨盤神経
- 内尿道括約筋支配の下腹神経
- 外尿道括約筋支配の陰部神経
解答: 2(膀胱平滑筋支配の骨盤神経)
解説
- 誤り。下腹神経(交感神経)は蓄尿時に膀胱平滑筋(排尿筋)のβ受容体に作用して弛緩させるため、興奮が高まる。
- 正しい。骨盤神経(副交感神経)は排尿時に膀胱排尿筋を収縮させる神経であり、蓄尿時にはその興奮は抑制される。蓄尿時には交感神経である下腹神経が優位となり、膀胱排尿筋をβ受容体を介して弛緩させるとともに、内尿道括約筋をα受容体を介して収縮させる。さらに体性神経である陰部神経が外尿道括約筋を収縮させて尿を保持する。排尿時にはこの関係が逆転し、骨盤神経の興奮が高まって排尿筋を収縮させる。
- 誤り。下腹神経(交感神経)は蓄尿時に内尿道括約筋のα受容体に作用して収縮させ、尿道を閉鎖するため興奮が高まる。
- 誤り。陰部神経(体性神経)は蓄尿時に外尿道括約筋を随意的に収縮させて尿漏れを防ぐため、興奮が高まる。
ポイント
蓄尿時には交感神経(下腹神経)と体性神経(陰部神経)が興奮し、副交感神経(骨盤神経)は抑制される。
- 覚え方のコツ: 「蓄尿は交感神経の仕事」→ 蓄(ちく)=交(こう)で「ちくこう」と覚える。排尿は副交感神経(骨盤神経)の仕事である。
- 関連知識: 脊髄損傷では排尿反射の中枢(S2-S4)が障害されると神経因性膀胱となり、蓄尿・排尿の切り替えが困難になる。
- よくある間違い: 骨盤神経は「蓄尿時に膀胱を弛緩させる」と誤解しやすいが、蓄尿時に膀胱を弛緩させるのは下腹神経(交感神経)である。骨盤神経は蓄尿時には単に抑制されているだけである。
- 教科書では「j.自律神経の関与する反射」の範囲に該当する。
| 神経 | 種類 | 蓄尿時 | 排尿時 |
|---|---|---|---|
| 下腹神経(交感) | 自律神経 | 排尿筋弛緩(β)・内括約筋収縮(α) | 抑制 |
| 骨盤神経(副交感) | 自律神経 | 抑制 | 排尿筋収縮 |
| 陰部神経(体性) | 体性神経 | 外括約筋収縮 | 弛緩 |
表: 蓄尿時と排尿時の神経支配の比較
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