問題
臓器移植の拒絶反応で、移植された臓器を直接攻撃するのはどれか。
- 好中球
- 形質細胞
- キラーT細胞
- マクロファージ
解答: 3(キラーT細胞)
解説
- 誤り。好中球は自然免疫の貪食細胞であり、非特異的に病原体を排除するが、拒絶反応において移植臓器を直接攻撃する主要な細胞ではない。
- 誤り。形質細胞は抗体を産生して液性免疫を担うが、移植臓器を「直接」攻撃する細胞ではない。抗体介在性の拒絶も存在するが、「直接攻撃」はキラーT細胞の役割である。
- 正しい。臓器移植の拒絶反応で移植臓器を直接攻撃するのはキラーT細胞(細胞傷害性T細胞/CD8+T細胞)である。キラーT細胞は移植臓器の細胞表面に発現する非自己のMHC分子(HLA)を認識し、パーフォリンで細胞膜に孔を形成、グランザイムでアポトーシスを誘導して移植細胞を直接破壊する。これは細胞性免疫による拒絶反応の中心的機構である。
- 誤り。マクロファージは貪食作用と抗原提示に関与し、拒絶反応の炎症過程には参加するが、移植臓器を直接攻撃する主要な細胞ではない。
ポイント
臓器移植の拒絶反応はキラーT細胞が主役の細胞性免疫反応であり、非自己MHC(HLA)の認識が鍵となる。
- 覚え方のコツ: 「キラーT=拒絶のキラー(殺し屋)」と覚える。移植拒絶=細胞性免疫=T細胞の連想で記憶する。
- 関連知識: 拒絶反応を防ぐために免疫抑制薬(シクロスポリン、タクロリムスなど)が使用され、T細胞の活性化を抑制する。MHC(主要組織適合複合体)はヒトではHLA(Human Leukocyte Antigen)と呼ばれ、自己・非自己の識別に重要である。臓器移植前にはHLAの適合性を検査する。
- よくある間違い: マクロファージも拒絶反応の炎症過程に関与するため「直接攻撃する細胞」と誤認しやすい。「直接攻撃」=キラーT細胞と正確に区別する。
- 教科書では「a.液性免疫と細胞性免疫」の範囲に該当する。
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