問題
膵液について誤っている記述はどれか。
- 弱アルカリ性である。
- アミラーゼはブドウ糖を分解する。
- トリプシンは蛋白質を分解する。
- リパーゼは脂肪を分解する。
解答: 2(アミラーゼはブドウ糖を分解する。)
解説
- 正しい。膵液は重炭酸ナトリウム(NaHCO₃)を含み弱アルカリ性(pH約8)である。胃から送られた強酸性の糜粥を中和する重要な働きを持つ。
- 誤り。アミラーゼはデンプン(多糖類)をマルトース(麦芽糖、二糖類)に分解する酵素であり、ブドウ糖(グルコース、単糖類)を分解するのではない。ブドウ糖はこれ以上分解されない最終的な糖の単位である。アミラーゼ: デンプンをマルトース(麦芽糖)に分解する。マルトースをグルコースに分解するのは小腸上皮細胞のマルターゼである。
- 正しい。トリプシンはタンパク質をペプチドに分解する膵液中の消化酵素である。不活性なトリプシノゲンとして分泌され、小腸内で活性化される。
- 正しい。リパーゼは脂肪を脂肪酸とモノグリセリドに分解する膵液中の消化酵素である。
ポイント
- アミラーゼが分解するのはデンプン(多糖類)であり、ブドウ糖(単糖類)ではない。「基質」と「分解産物」を混同しないことが重要である。
- 覚え方のコツ: 「アミラーゼの”アミロ”=アミロース(デンプンの成分)」と語源で基質を結びつける。
- 関連知識: 膵液にはこのほかヌクレアーゼ(核酸分解酵素)も含まれる。膵液分泌はセクレチン(HCO₃⁻に富む膵液)とコレシストキニン(酵素に富む膵液)によりホルモン性に調節される。
- よくある間違い: 「アミラーゼ=糖を分解」という曖昧な理解から、ブドウ糖を分解すると誤答しやすい。アミラーゼはデンプンをマルトースにする酵素であり、マルトース→グルコースの分解はマルターゼが行う。
| 酵素 | 基質 | 分解産物 |
|---|---|---|
| アミラーゼ | デンプン(多糖類) | マルトース(麦芽糖) |
| トリプシン | タンパク質 | ペプチド |
| キモトリプシン | タンパク質 | ペプチド |
| リパーゼ | 脂肪 | 脂肪酸+モノグリセリド |
| ヌクレアーゼ | 核酸 | ヌクレオチド |
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