問題
膀胱収縮を起こす神経はどれか。
- 大腿神経
- 迷走神経
- 陰部神経
- 骨盤神経
解答: 4(骨盤神経)
解説
- 誤り。大腿神経は下肢の運動・感覚に関与する体性神経であり、膀胱とは無関係である。
- 誤り。迷走神経は頭頸部・胸腹部の広範な臓器を支配する副交感神経であるが、骨盤臓器(膀胱・直腸・生殖器)には分布しない。骨盤臓器の副交感神経支配は骨盤神経が担う。
- 誤り。陰部神経は体性神経であり、外尿道括約筋を支配して随意的な排尿の抑制に関与する。排尿筋(膀胱平滑筋)の収縮には関与しない。
- 正しい。骨盤神経(骨盤内臓神経)は仙髄(S2〜S4)由来の副交感神経であり、膀胱排尿筋を収縮させて排尿を促進する。排尿反射では、膀胱壁の伸展受容器からの求心性信号が仙髄の排尿中枢(および橋の排尿中枢)に伝わり、骨盤神経を介して排尿筋が収縮し、同時に内尿道括約筋が弛緩して排尿が起こる。
ポイント
排尿は骨盤神経(副交感神経、S2〜S4由来)による排尿筋収縮で起こるという点が最重要である。
- 覚え方のコツ: 「骨盤の”こつ”は排尿」と覚える。また排尿に関わる3つの神経を「骨盤神経(副交感=排尿筋収縮)、下腹神経(交感=排尿筋弛緩)、陰部神経(体性=外括約筋の随意調節)」とセットで整理する。
- 関連知識: 橋の排尿中枢(バリントン核)は排尿反射を統合的に調節している。問716(排尿時に起こること)とも関連が深い。
- よくある間違い: 迷走神経が全身の副交感神経を担うと誤解しやすいが、迷走神経は骨盤臓器には分布しない。骨盤臓器の副交感神経は骨盤神経(仙髄S2〜S4由来)である。
- 教科書では「j.自律神経の関与する反射」の範囲に該当する。
| 神経 | 種類 | 排尿への作用 |
|---|---|---|
| 骨盤神経 | 副交感神経(S2-4) | 排尿筋収縮(排尿促進) |
| 下腹神経 | 交感神経(T12-L2) | 排尿筋弛緩・内括約筋収縮(蓄尿) |
| 陰部神経 | 体性神経(S2-4) | 外括約筋の随意的収縮(排尿抑制) |
表: 排尿に関わる3つの神経の比較
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