問題
腎臓について正しいのはどれか。
- 白血球の新生を促すホルモンを分泌する。
- 水素イオンの排泄により体液を酸性に傾かせる。
- 蛋白質を尿中に排泄する。
- 薬物の代謝物を尿中に排泄する。
解答: 4(薬物の代謝物を尿中に排泄する。)
解説
- 誤り。腎臓が分泌するエリスロポエチンは赤血球の新生を促すホルモンである。→白血球ではなく赤血球に作用して骨髄での赤血球産生を促進する。腎臓から分泌されるエリスロポエチンは骨髄に作用して赤血球の新生を促進する。
- 誤り。H+の排泄は体液をアルカリ性側に傾ける。→酸(H+)を尿中に排出することで血液中の酸が除去され、体液はアルカリ性方向に維持される。→H+は腎臓から排泄され、血液のpHは一定に保たれる。
- 誤り。正常では蛋白質は尿中に排泄されない。→アルブミンなどの血漿蛋白質は糸球体の基底膜でろ過されず、通常は尿中に出ない。→蛋白尿は糸球体障害などの病的状態を示す所見である。
- 正しい。腎臓は薬物の代謝物を尿中に排泄する。→薬物は主に肝臓で代謝(解毒)され、水溶性の代謝物となって血液を介して腎臓に運ばれ、尿中に排泄される。→血漿中の老廃物として尿素・クレアチニン・尿酸・ビリルビンなどが挙げられ、これらが腎臓から排泄されることが示されている。
ポイント
- 腎臓は老廃物や薬物代謝物の尿中排泄、H+排泄による酸塩基平衡の維持、エリスロポエチン分泌による赤血球産生調節を担う。
- 覚え方のコツ: 「エリスロ→エリ(赤い)」と連想し、エリスロポエチンは赤血球を増やすホルモンと覚える。
- 関連知識: エリスロポエチン分泌は酸素不足(高地移住など)で増加する。腎疾患ではエリスロポエチン分泌障害による腎性貧血が起こる。
- よくある間違い: エリスロポエチンの作用対象を「白血球」と誤答する。白血球の産生を特異的に促す腎臓由来のホルモンはない。
| 血球 | 数(/mm³) | 寿命 | 主な機能 |
|---|---|---|---|
| 赤血球 | 男約500万/女約450万 | 約120日 | O₂・CO₂運搬 |
| 白血球 | 5,000〜9,000 | 数時間〜数日 | 免疫・防御 |
| 血小板 | 15〜40万 | 約10日 | 止血(血栓形成) |
表: 血球の種類と特徴
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