問題
腎臓でブドウ糖が再吸収される部位はどれか。
- 糸球体
- ボーマン嚢
- 尿細管
- 集合管
解答: 3(尿細管)
解説
- 誤り。糸球体は血漿成分をろ過する場であり、再吸収機能は持たない。ブドウ糖はここでろ過されてボーマン嚢内に移行する。
- 誤り。ボーマン嚢は糸球体を包む袋状の構造で、糸球体ろ液を受け取る場所である。物質の再吸収は行わない。
- 正しい。ブドウ糖(グルコース)は糸球体でろ過された後、尿細管(特に近位尿細管)でほぼ全量が再吸収される。再吸収にはNa⁺-グルコース共輸送体(SGLT2が約90%、SGLT1が約10%)が関与し、Na⁺の濃度勾配を利用した二次性能動輸送によって行われる。管腔側から細胞内に取り込まれたグルコースは、基底膜側のGLUT2を介して血液側に放出される。正常血糖値ではろ過されたグルコースは全て再吸収されるため、尿中には排泄されない。
- 誤り。集合管はバゾプレッシン(ADH)依存性の水の再吸収やアルドステロン依存性のNa⁺再吸収が行われる場であり、グルコースの再吸収は行わない。
ポイント
- ブドウ糖は近位尿細管でSGLT(Na⁺-グルコース共輸送体)により、ほぼ全量が再吸収される。
- 覚え方のコツ: 「グルコースは近位尿細管で”全回収”」と覚える。「糸球体=ろ過」「近位尿細管=大量再吸収」「集合管=水の微調整」という部位ごとの役割を整理する。
- 関連知識: 近位尿細管はグルコース以外にもアミノ酸、Na⁺、水、HCO₃⁻などろ過液の約65%を再吸収する「再吸収の主役」である。糖尿病治療薬のSGLT2阻害薬は、この再吸収を抑制して尿糖排泄を増やす薬剤である。
- よくある間違い: 「尿細管」と「集合管」を混同しやすいが、グルコースの再吸収は近位尿細管で完了しており、集合管では行われない。
- 教科書では「c.尿細管の再吸収」の範囲に該当する。
| ネフロン部位 | 主な機能 | グルコースとの関係 |
|---|---|---|
| 糸球体 | ろ過 | ろ過される |
| ボーマン嚢 | ろ液の受容 | 通過するのみ |
| 近位尿細管 | 大量再吸収 | SGLT2/SGLT1でほぼ全量再吸収 |
| ヘンレ係蹄 | 対向流増幅 | 関与しない |
| 遠位尿細管 | 微調整 | 関与しない |
| 集合管 | 水・Na⁺の最終調整 | 関与しない |
表: ネフロン各部位とグルコースの処理
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