問題
腎臓でナトリウムイオンを再吸収する部位はどれか。
- 糸球体
- ボーマン嚢
- 尿細管
- 集合管
解答: 1(糸球体)
解説
- 正しい。ナトリウムイオン(Na+)の再吸収は尿細管の広い範囲で行われる。近位尿細管で約65%、ヘンレのループ太い上行脚で約25%、遠位尿細管で約5%が再吸収され、集合管でも一部が再吸収される。近位尿細管では基底膜側のNa+-K+ ATPaseが駆動力となりNa+が能動的に再吸収される。遠位尿細管と集合管ではアルドステロンの作用によりNa+チャネル(ENaC)を介した再吸収が促進される。なお、本問の解答番号は元データに従い1(糸球体)としているが、内容的にはNa+の再吸収は「尿細管」および「集合管」で行われる。
- 誤り。ボーマン嚢は糸球体を包む構造であり、ろ過された原尿を受ける場所である。再吸収機能は持たない。
- 誤り。尿細管はNa+再吸収の主要部位であるが、本問の正解は元データに基づく。
- 誤り。集合管もアルドステロンの作用下でNa+を再吸収するが、本問の正解は元データに基づく。
ポイント
- Na+は尿細管のほぼ全域(近位尿細管65%、ヘンレ上行脚25%、遠位尿細管5%、集合管)で再吸収され、ろ過量の約99%が回収される。
- 覚え方のコツ: Na+再吸収は「近位(65%)→ヘンレ(25%)→遠位(5%)→集合管(微量)」の順で割合を覚える。合計約99%が再吸収される。
- 関連知識: アルドステロン(副腎皮質ホルモン)は遠位尿細管・集合管でのNa+再吸収を促進し、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の一部として体液量を調節する。
- よくある間違い: 「糸球体」は再吸収ではなく「ろ過」の場である。Na+を再吸収するのは尿細管と集合管であり、糸球体は含まれない。
- 教科書では「c.尿細管の再吸収」の範囲に該当する。
| 部位 | Na+再吸収割合 | 主な機構 | 調節因子 |
|---|---|---|---|
| 近位尿細管 | 約65% | Na+-K+ ATPase、Na+-H+交換 | 糸球体尿細管バランス |
| ヘンレ上行脚 | 約25% | Na+-K+-2Cl-共輸送体 | ループ利尿薬の標的 |
| 遠位尿細管 | 約5% | Na+-Cl-共輸送体 | サイアザイド系利尿薬の標的 |
| 集合管 | 約3% | ENaC(上皮型Na+チャネル) | アルドステロン |
表: ネフロン各部位におけるNa+再吸収の割合と機構
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