問題
脳循環の特徴で誤っている記述はどれか。
- 血流量を一定に調節する機構がある。
- 冠状循環に比べ多くの血液供給を受ける。
- 血中の二酸化炭素の増加により血流量が減少する。
- 毛細血管には血液ー脳関門がある。
解答: 3(血中の二酸化炭素の増加により血流量が減少する。)
解説
- 正しい。脳血管には自己調節能(autoregulation)がある。→ 血圧が変動しても脳血流量を一定に保つ機構が働く。→ 脳は自己調節が特に顕著な臓器。
- 正しい。脳は心拍出量の約15%の血液供給を受け、冠状循環(約5%)より多い。→ 脳は体重の約2%にすぎないが、大量の血流を必要とする高代謝臓器である。
- 誤り。脳血管は血中CO2分圧の上昇に対して拡張し、脳血流量は増加する(減少ではない)。→ CO2は局所で産生される拡張物質として血管に作用する。→ これは脳の代謝需要に応じて血流を増やすための調節機構である。
- 正しい。脳の毛細血管には血液脳関門(BBB: blood-brain barrier)が存在する。→ 物質の選択的透過性を示し、脳組織の内部環境を一定に保つ役割を果たす。
ポイント
- 脳血管はCO2分圧上昇で「拡張」し脳血流量は「増加」する。「減少」と逆に覚えないこと。
- 覚え方のコツ: 「CO2が増える=代謝が盛ん=血流を増やして洗い流す」とイメージする。CO2は血管拡張物質である。
- 関連知識: 脳血管の自己調節は腎臓・心臓の血管でも顕著に見られる。過換気でCO2が低下すると脳血管が収縮し、めまいや意識障害が起こることがある。
- よくある間違い: CO2増加で血管が「収縮」すると思い込むこと。CO2は局所性の血管拡張物質であり、乳酸・アデノシン・NOなどと同様に血管を拡張させる。
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