問題
脊髄反射について正しいのはどれか。
- 伸張反射は多シナプス反射である。
- 屈曲反射は痛み刺激により起こる。
- 皮膚反射は単シナプス反射である。
- 拮抗抑制は相反性のⅠb 抑制である。
解答: 2(屈曲反射は痛み刺激により起こる。)
解説
- 誤り。伸張反射はIa群求心性線維→α運動ニューロンの単シナプス反射であり、多シナプス反射ではない。
- 正しい。屈曲反射(逃避反射)は皮膚への痛み刺激(侵害刺激)により、同側の屈筋群が収縮して四肢を引っ込める防御反射である。求心路はAδ線維(III群、鋭い痛み)やC線維(IV群、鈍い痛み)であり、脊髄内で複数の介在ニューロンを介する多シナプス反射として構成される。有害刺激から身体を守るための原始的で重要な脊髄反射である。
- 誤り。皮膚反射(腹壁反射・足底反射・挙睾筋反射など)は皮膚を擦る刺激で誘発される多シナプス反射であり、単シナプス反射ではない。
- 誤り。拮抗抑制(相反抑制)はIa抑制であり、Ib抑制ではない。Ia群求心性線維がIa抑制性介在ニューロンを介して拮抗筋のα運動ニューロンを抑制する。Ib抑制は自原抑制(ゴルジ腱器官からのIb群線維による同名筋の抑制)を指す。
ポイント
脊髄反射の正誤判定には「単シナプスは伸張反射のみ」「拮抗抑制はIa抑制」の2つの鉄則が有効である。
- 覚え方のコツ: 「拮抗抑制=Ia=相反」「自原抑制=Ib=自分を抑制」と、番号と名前をセットで覚える。「Ia=aは”相”手を抑制」「Ib=bは”自”分を抑制」と連想する。
- 関連知識: 臨床では痙縮(上位運動ニューロン障害)の患者ではIa抑制性介在ニューロンの機能が低下し、拮抗抑制が減弱して筋の同時収縮が生じやすくなる。
- よくある間違い: 拮抗抑制をIb抑制と混同するケース。「拮抗=Ia」「自原=Ib」を確実に区別する。
- 教科書では「a.脊髄レベルでの調節」の範囲に該当する。
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