問題
脊髄の運動ニューロンについて誤っている記述はどれか。
- 細胞体は脊髄前角にある。
- 上位中枢からの入力を受ける。
- 伸張反射の反射弓に含まれる。
- 神経支配比はどの筋も同じである。
解答: 4(神経支配比はどの筋も同じである。)
解説
- 正しい。α運動ニューロンの細胞体は脊髄前角(前柱)に存在し、前根を通って骨格筋を支配する。前角は運動ニューロンの集合部位である。
- 正しい。運動ニューロンは大脳皮質からの皮質脊髄路(錐体路)や脳幹からの網様体脊髄路・前庭脊髄路など、上位中枢からの入力を受けて活動が調節される。
- 正しい。伸張反射(膝蓋腱反射など)ではIa群求心性線維がα運動ニューロンと直接単シナプス接続しており、運動ニューロンは反射弓の遠心路に含まれる。
- 誤り。神経支配比(1つの運動ニューロンが支配する筋線維数)は筋によって大きく異なる。精密な運動を行う筋ほど支配比が小さく(眼筋:約1:3〜10)、粗大な力を発揮する筋ほど支配比が大きい(大腿四頭筋:約1:2000)。神経支配比が小さいほど微細な運動制御が可能となる。
ポイント
神経支配比は筋の機能によって大きく異なり、精密な動きが必要な筋ほど支配比が小さい(少数の筋線維を1つのニューロンで制御)。
- 覚え方のコツ: 「目(眼筋)は繊細→支配比小さい」「太もも(大腿四頭筋)は大雑把→支配比大きい」とイメージで覚える。
- 関連知識: 1つのα運動ニューロンとそれが支配する全筋線維を合わせて「運動単位(motor unit)」と呼ぶ。運動単位は骨格筋の収縮の最小機能単位であり、筋力調節に重要である。
- よくある間違い: 神経支配比が大きいほど精密な運動ができると逆に覚えてしまうことがある。支配比が「小さい」ほど細かい制御が可能である。
- 教科書では「a.反射と反射弓」の範囲に該当する。
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