問題
脂質について正しいのはどれか。
- コレステロールはコルチゾールの前駆物質である。
- リン脂質はヘモグロビンの構成成分である。
- 中性脂肪は 1分子のグリセロールと 2分子の脂肪酸からなる。
- 脂肪酸の多くは水溶性物質である。
解答: 1(コレステロールはコルチゾールの前駆物質である。)
解説
- 正しい。コレステロールはコルチゾールの前駆物質(原料)である。副腎皮質ではコレステロールからプレグネノロンを経て、コルチゾール・アルドステロン・副腎アンドロジェンなどのステロイドホルモンが合成される。同様に、性腺(精巣・卵巣)でもコレステロールからテストステロンやエストロゲンが合成される。すべてのステロイドホルモンはコレステロール由来である。
- 誤り。リン脂質は細胞膜のリン脂質二重層の主要構成成分であり、ヘモグロビンの構成成分ではない。ヘモグロビンはヘム(鉄ポルフィリン)とグロビン(蛋白質)からなる。
- 誤り。中性脂肪(トリグリセリド/トリアシルグリセロール)は1分子のグリセロールと3分子の脂肪酸からなる。「トリ」は3を意味し、2分子ではない。
- 誤り。脂肪酸は長い炭水素鎖を持つ脂溶性物質であり、水溶性ではない。血中では主にアルブミンと結合して輸送される。
ポイント
コレステロールはすべてのステロイドホルモン(コルチゾール・アルドステロン・テストステロン・エストロゲン・プロゲステロン)の共通の前駆物質である。
- 覚え方のコツ: 「コレステロール→コルチゾール」は名前の響きが似ている→コレステロールが原料。中性脂肪は「トリ(3)グリセリド」→グリセロール1つに脂肪酸3つ。
- 関連知識: ステロイドホルモンの合成経路:コレステロール→プレグネノロン→プロゲステロン→コルチゾール/アルドステロン/テストステロン→エストロゲン。コレステロールは細胞膜の構成成分でもあり、胆汁酸やビタミンDの前駆体でもある。
- よくある間違い: 中性脂肪の脂肪酸数を「2分子」と誤る。「トリグリセリド=3本の脂肪酸がぶら下がる」と覚える。ジグリセリド(2分子)やモノグリセリド(1分子)は消化過程の中間体。
- 教科書では「c.ホルモンの作用機序」の範囲に該当する。
『理由で解く 生理学』 Kindle版
本書は、生理学の各テーマを「機序・因果」の観点から再構成し、
知識の断片化を防ぎながら、臨床・学習現場で再利用しやすい理解を目指しています。初学者の学習補助だけでなく、授業設計・復習教材としても活用いただければ幸いです。
Kindle Unlimitedでも使えます。
理由で解く 生理学: 国家試験問題 941問 完全攻略 理由で解く国試過去問






コメント