問題
胃酸の作用に含まれないのはどれか。
- ペプシノ-ゲンをペプシンにする。
- 胃内の細菌を殺菌する。
- セクレチンの分泌を促進する。
- ムチンの分泌を抑制する。
解答: 4(ムチンの分泌を抑制する。)
解説
- 正しい。胃酸(HCl)はペプシノゲンを活性型のペプシンに変換する。さらにペプシンの作用(タンパク質分解)に最適な酸性環境を提供する。
- 正しい。胃酸による強い酸性環境(pH 1〜2)は、食物とともに侵入した細菌を殺菌・消毒する防御機能を果たす。
- 正しい。胃酸が十二指腸に流入すると、十二指腸粘膜のセクレチン分泌細胞が刺激され、セクレチンが分泌される。
- 誤り。胃酸にはムチン分泌を抑制する作用はない。胃酸の4つの作用は、ペプシノゲンの活性化、ペプシン作用の促進、殺菌・消毒、セクレチン分泌の促進であり、ムチン分泌の抑制はこれに含まれない。むしろムチンは胃酸から粘膜を保護するために分泌が維持される。ムチン分泌が不十分になると胃潰瘍の原因となる。
ポイント
- 胃酸(HCl)の4大作用は「ペプシノゲン活性化」「ペプシン作用促進」「殺菌・消毒」「セクレチン分泌促進」である。
- 覚え方のコツ: 「ペプシ活かして(活性化)、菌を殺して(殺菌)、セクレチン呼ぶ(分泌促進)」の3点セットで覚える。ムチン抑制は含まれないと消去法で判断する。
- 関連知識: ストレス時には副腎皮質ホルモンにより粘液(ムチン)分泌が抑えられ、胃酸・ペプシン分泌が促進されるため胃潰瘍を起こしやすくなる。これは胃酸自体の作用ではなくホルモンを介した間接的な影響である。
- よくある間違い: 「胃酸が強いからムチンが抑制される」と因果を混同しやすいが、ムチン分泌の抑制は胃酸の直接的作用ではない。
| 作用 | 内容 |
|---|---|
| ペプシノゲン活性化 | 不活性型→活性型ペプシンに変換 |
| ペプシン作用促進 | 酸性環境がペプシンの至適pHを提供 |
| 殺菌・消毒 | pH 1〜2の強酸で食物中の細菌を殺菌 |
| セクレチン分泌促進 | 十二指腸に流入し、セクレチン分泌を刺激 |
| ※ムチン分泌抑制 | 胃酸の作用には含まれない |
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