問題
胃液分泌を促進するのはどれか。
- 食物による口腔粘膜の刺激
- セクレチン分泌の増加
- 交感神経活動の増加
- 酸による十二指腸粘膜の刺激
解答: 1(食物による口腔粘膜の刺激)
解説
- 正しい。食物による口腔粘膜の刺激は胃液分泌を促進する。これは胃液分泌の「頭相」に該当し、食物が味覚や口腔粘膜を刺激すると、その情報が延髄に送られ、迷走神経を介して直接的またはガストリン分泌を介して間接的に胃液分泌を増加させる。視覚や聴覚の刺激によっても胃液分泌が起こりうる。頭相は食事に対する準備的な分泌反応であり、条件反射による分泌も含まれる。
- 誤り。セクレチンは十二指腸粘膜から分泌され、胃液分泌を抑制する方向に作用する。
- 誤り。交感神経活動の増加は胃粘膜血流を減少させ、胃液分泌を抑制する。
- 誤り。酸による十二指腸粘膜の刺激はセクレチンやGIPの分泌を促し、胃液分泌を抑制する(腸相の抑制的調節)。
ポイント
- 胃液分泌は頭相(迷走神経)・胃相(ガストリン)・腸相(セクレチン・GIPによる抑制が優位)の三相で調節される。
- 覚え方のコツ: 「促進=迷走神経・ガストリン・ヒスタミン」「抑制=セクレチン・GIP・交感神経」と二群に分けて記憶する。
- 関連知識: ヒスタミンは壁細胞のH2受容体に作用して塩酸分泌を促進し、H2受容体拮抗薬は胃潰瘍治療に用いられる。
- よくある間違い: 腸相にはガストリンによる促進機構もあるが、セクレチン・GIPによる抑制の方が強い。
| 相 | 刺激 | 主な機序 | 作用 |
|---|---|---|---|
| 頭相 | 味覚・嗅覚・口腔粘膜刺激 | 迷走神経→直接的またはガストリンを介して | 促進 |
| 胃相 | 胃壁の伸展・化学物質(タンパク質分解産物) | ガストリン分泌 | 促進(分泌量が最大) |
| 腸相 | 酸・脂肪の十二指腸流入 | セクレチン・GIP分泌 | 抑制が優位 |
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