問題
胃液分泌を低下させるのはどれか。
- 食物による嗅覚の刺激
- ガストリン分泌の増加
- 迷走神経活動の亢進
- 酸による十二指腸粘膜の刺激
解答: 4(酸による十二指腸粘膜の刺激)
解説
- 誤り。食物による嗅覚の刺激は頭相に該当し、延髄を経由して迷走神経を介し胃液分泌を促進する。
- 誤り。ガストリンは壁細胞に作用して塩酸分泌を促進する消化管ホルモンであり、胃液分泌を増加させる。
- 誤り。迷走神経(副交感神経)活動の亢進は胃液分泌を促進する方向に作用する。
- 正しい。酸による十二指腸粘膜の刺激は胃液分泌を低下させる。胃の内容物が十二指腸に送られると、酸や脂肪が十二指腸からセクレチンやGIP(胃抑制ペプチド)を分泌させ、それらが胃液分泌を抑制する(腸相の抑制的調節)。これは十二指腸への過剰な酸の流入を防ぐネガティブフィードバック機構として機能している。セクレチンはさらに膵臓に作用してHCO₃⁻に富む膵液の分泌を促し、酸性糜粥の中和にも寄与する。
ポイント
- 胃液分泌の抑制因子はセクレチン・GIP・交感神経であり、促進因子は迷走神経・ガストリン・ヒスタミンである。
- 覚え方のコツ: 「腸に酸が来たら”セ(クレチン)・G(IP)”で胃をストップ」と腸相の抑制機構を覚える。
- 関連知識: 問題329(胃液分泌の促進)と対になる内容であり、促進と抑制をセットで整理すると効率的である。
- よくある間違い: 腸相にはガストリンによる促進機構もあるが、抑制機構(セクレチン・GIP)の方が優位であることを忘れやすい。
| 因子 | 作用 | 機序 |
|---|---|---|
| 迷走神経(副交感神経) | 促進 | 壁細胞・G細胞に直接作用 |
| ガストリン | 促進 | 壁細胞に作用し塩酸分泌を促進 |
| ヒスタミン | 促進 | 壁細胞のH2受容体に作用 |
| セクレチン | 抑制 | 十二指腸の酸刺激で分泌される |
| GIP(胃抑制ペプチド) | 抑制 | 十二指腸の酸・脂肪刺激で分泌される |
| 交感神経 | 抑制 | 胃粘膜血流を減少させる |
『理由で解く 生理学』 Kindle版
本書は、生理学の各テーマを「機序・因果」の観点から再構成し、
知識の断片化を防ぎながら、臨床・学習現場で再利用しやすい理解を目指しています。初学者の学習補助だけでなく、授業設計・復習教材としても活用いただければ幸いです。
Kindle Unlimitedでも使えます。
理由で解く 生理学: 国家試験問題 941問 完全攻略 理由で解く国試過去問






コメント