問題
肝臓の働きについて誤っているのはどれか。
- アルブミンの合成
- ガンマグロブリンの合成
- 胆汁の生成
- コレステロールの生成
解答: 2(ガンマグロブリンの合成)
解説
- 正しい。アルブミンは肝臓で合成される主要な血漿蛋白質であり、膠質浸透圧の維持と物質の運搬を担う。
- 誤り。ガンマグロブリン(γ-グロブリン=免疫グロブリン=抗体)はB細胞由来の形質細胞で産生されるものであり、肝臓で合成されるのではない。肝臓はアルブミン、フィブリノーゲン、α-グロブリン、β-グロブリンなどの血漿蛋白を合成するが、γ-グロブリンだけは形質細胞が産生する。肝硬変ではアルブミン産生が低下し低アルブミン血症となるが、γ-グロブリンは影響を受けない。
- 正しい。胆汁は肝細胞で生成され、胆嚢で濃縮・貯蔵された後、十二指腸に分泌されて脂肪の消化吸収を助ける。
- 正しい。コレステロールは肝臓で合成される脂質であり、細胞膜の構成成分やステロイドホルモン・胆汁酸の原料となる。
ポイント
血漿蛋白のうちγ-グロブリン(抗体)だけは肝臓ではなく形質細胞(B細胞由来)が産生する点が最重要である。
- 覚え方のコツ: 「肝臓が作る血漿蛋白=アフアベ(アルブミン・フィブリノーゲン・α-グロブリン・β-グロブリン)」。γだけは「形質細胞のγ(ガンバリ)」と覚える。
- 関連知識: 問題916(γ-グロブリン=抗体)と密接に関連する。肝硬変ではアルブミン合成低下→膠質浸透圧低下→浮腫・腹水が生じるが、γ-グロブリンはむしろ上昇することがある。
- よくある間違い: 「血漿蛋白は全て肝臓で合成される」と覚えてしまうと、γ-グロブリンを誤答する。γ-グロブリンのみ例外であることを意識する。
- 教科書では「d.免疫系に働く液性因子」の範囲に該当する。
| 血漿蛋白 | 産生場所 | 肝臓での合成 |
|---|---|---|
| アルブミン | 肝臓 | あり |
| α-グロブリン | 肝臓 | あり |
| β-グロブリン | 肝臓 | あり |
| γ-グロブリン(抗体) | 形質細胞 | なし |
| フィブリノーゲン | 肝臓 | あり |
表: 血漿蛋白の産生場所
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