問題
組織中で大食細胞になるのはどれか。
- 好中球
- 好酸球
- 好塩基球
- 単球
解答: 4(単球)
解説
- 誤り。好中球は強い貪食能を持つが、短命な細胞(数時間〜数日)で組織中でマクロファージには分化しない。
- 誤り。好酸球は寄生虫感染防御やアレルギー反応に関与するが、マクロファージには分化しない。
- 誤り。好塩基球はヒスタミンやヘパリンを含みI型アレルギー反応に関与するが、マクロファージには分化しない。
- 正しい。単球は血液中を循環した後、組織に移行するとマクロファージ(大食細胞)に分化する。マクロファージは強力な貪食能を持ち、細菌・ウイルス・老廃物・死細胞などを貪食・処理する。さらに抗原提示細胞(APC)として、貪食した抗原をMHCクラスII分子上に提示し、ヘルパーT細胞を活性化して獲得免疫の誘導にも重要な役割を果たす。
ポイント
単球→マクロファージ(大食細胞)への分化は、血液中の白血球が組織で機能を変える代表的な例である。
- 覚え方のコツ: 「単球(タン)がマクロ(大きく)ファージ(食べる)に変身」と覚える。単球は白血球中で最も大きい細胞であり、組織に出るとさらに大きなマクロファージになる。
- 関連知識: マクロファージは臓器により異なる名称を持つ(肝臓=クッパー細胞、脳=ミクログリア、肺=肺胞マクロファージなど)。樹状細胞も単球系列から分化する抗原提示細胞である。
- よくある間違い: 好中球も貪食作用を持つため「好中球→マクロファージ」と誤認しやすい。好中球は貪食後に死滅して膿になるが、マクロファージには分化しない。
- 教科書では「c.白血球の働き」の範囲に該当する。
| 白血球 | 割合 | 主な機能 |
|---|---|---|
| 好中球 | 50〜70% | 食作用(細菌感染の防御) |
| 好酸球 | 1〜5% | 寄生虫防御、アレルギー |
| 好塩基球 | 0〜1% | ヒスタミン放出 |
| 単球 | 3〜8% | 食作用(マクロファージへ分化) |
| リンパ球 | 20〜40% | 免疫応答(T細胞・B細胞) |
表: 白血球の分類と機能
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