問題
糖質コルチコイドの作用で正しい記述はどれか。
- 血糖値を低下させる。
- アレルギー症状を抑制する。
- 胃酸分泌を抑制する。
- ストレスに対する抵抗を弱める。
解答: 2(アレルギー症状を抑制する。)
解説
- 誤り。糖質コルチコイドは肝臓での糖新生を促進し、末梢でのグルコース利用を抑制して血糖値を「上昇」させる。低下させるのはインスリンである。
- 正しい。糖質コルチコイド(コルチゾールなど)は副腎皮質束状層から分泌され、強力な抗炎症・免疫抑制作用を持ち、アレルギー症状を抑制する。リンパ球の増殖抑制、サイトカイン産生抑制、抗体産生抑制などの機序による。臨床ではステロイド薬としてアレルギー疾患、自己免疫疾患、炎症性疾患の治療に広く使用される。分泌はACTH-CRH系により調節される。
- 誤り。糖質コルチコイドは胃酸分泌を「促進」する傾向があり、長期使用で消化性潰瘍のリスクが上昇する。
- 誤り。糖質コルチコイドはストレスに対する抵抗力を「高める」抗ストレスホルモンであり、弱めるのは誤りである。
ポイント
糖質コルチコイドの主要作用は「血糖上昇」「抗炎症・免疫抑制」「抗ストレス」である。
- 覚え方のコツ: 糖質コルチコイドの「糖質」は「糖新生促進=血糖上昇」を意味する。抗炎症・免疫抑制作用=「ステロイド薬」と臨床に直結させて記憶する。
- 関連知識: コルチゾール過剰はクッシング症候群(満月様顔貌・中心性肥満・高血糖・骨粗鬆症)、不足はアジソン病(低血糖・低血圧・色素沈着)を引き起こす。副腎皮質はACTH(下垂体前葉)により支配され、負のフィードバックで調節される。
- よくある間違い: 「血糖を低下させる」と「上昇させる」の方向を間違えやすい。糖質コルチコイドはインスリンの拮抗ホルモンであり、血糖を「上昇」させる。
- 教科書では「g.副腎のホルモン」の範囲に該当する。
| 作用 | 糖質コルチコイド | 鉱質コルチコイド |
|---|---|---|
| 代表ホルモン | コルチゾール | アルドステロン |
| 分泌部位 | 副腎皮質束状層 | 副腎皮質球状層 |
| 主な調節因子 | ACTH | レニン-アンジオテンシン系 |
| 血糖 | 上昇(糖新生促進) | 直接作用なし |
| 電解質 | (弱いNa再吸収作用) | Na再吸収促進、K排泄促進 |
| 免疫 | 抗炎症・免疫抑制 | 関与なし |
表: 糖質コルチコイドと鉱質コルチコイドの比較
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